デジタルプラットフォームが巻き起こす顧客エンゲージメントの進化:東京海上日動火災保険におけるイノベーション・ケーススタディ
Evolution of a Digital Customer Engagement Platform
Abstract
保険会社がデジタル商品を導入して得てきた教訓を、広がり続ける顧客ニーズに生かした好例を紹介します。
デジタル・テクノロジーが保険業界にもたらす恩恵については、あちこちで語られていますが、実際に、デジタル化の恩恵とは何を意味しているのでしょうか。数十年にわたって続いてきた顧客エンゲージメントのあり方がデジタル化でどのように生まれ変わったのでしょうか。デジタルプラットフォームを導入すれば、保険会社と顧客の双方に利益をもたらすような新しい価値提案が可能になるのでしょうか。デジタル化によって、保険会社の社会的貢献を明確で透明性の高いものにできるのでしょうか。
これらの疑問に対する答えとして、東京海上日動火災保険株式会社(東京海上日動)がNTTドコモ(ドコモ)の業務提携し、共同開発した様々な商品を提供した例を紹介します。保険商品のデジタル化を通して得られた教訓を活かして、より高度な機能の提供を実現し、拡大し続ける顧客のニーズに応えた好例と言えるでしょう。
商品ラインアップとしては、ワンタイム保険やイベントごとにかけるタイプの保険から、顧客との継続的なコミュニケーションが必要な医療保険まで様々な保険商品が含まれており、アルゴリズムを駆使して大量のデータを処理し、「健康的なライフスタイルに向けたアドバイス」を顧客に日々配信しています。
「カスタマー・エクスペリエンスという点では、アマゾン等のオンラインストアでの購入に比べ、伝統的な保険購入プロセスには多くの課題があります。本レポートでは保険契約者、保険会社、日本社会にメリットをもたらすべく、様々な商品を投入した東京海上日動の取り組みを詳述します。彼らの経験を、自社のデジタル化プロジェクトの参考にしていただければと思います」と、セレントの保険プラクティスのシニアアナリストで本レポートを執筆したマイク・フィッツジェラルドは述べています。