アジア保険市場の販売チャネルを巡るトレンド
Abstract
アジア各国の保険市場では、販売チャネルの多様化が進んでいます。
アジアの多くの国では、これまで生命保険会社は個人のエージェントを主な販売チャネルとしてきました。しかし、同チャネルの市場シェアが縮小しつつあるのに対し、銀行は年々シェアを伸ばしています。アジアの保険会社は、エージェントを中心とする従来の販売モデルからエージェント、銀行、直販、フィナンシャル・アドバイザーなど様々な販売チャネルを含む多様化モデルへと移行しつつあります。セレントは最新レポート「アジア保険市場の販売チャネルを巡るトレンド」でその詳細を調査しました。
アジアにおけるバンカシュアランスの普及度は国や地域によって違いがありますが、銀行の窓口を通じた保険販売は共通したトレンドとなっています。銀行窓販売を通じた新たなビジネスによる保険料収入が個人のエージェントを販売窓口とする従来のモデルによる保険料収入を上回った市場もでてきています。
出典:セレント
「アジアの一部の市場では、保険商品のテレマーケティングが銀行窓販に続く次なる目玉となりつつあります。アジアの保険会社の多くは、銀行や公益事業(電力、ガス、水道)など大規模な顧客基盤を持つ組織と連携し、データベース・マーケティングを通じてこれらの顧客を取り込もうとしています。このチャネルを使って家財保険、傷害保険や医療保険といった簡潔で保険料の比較的安い保険商品の販売を促進しています」とセレントのアジアフィナンシャルサービスグループのシニアアナリストでレポートを執筆したウェンリ・ユアンは述べています。
販売チャネルの市場シェアは、保険市場の成熟度、特定保険商品に対する顧客の選好度、販売員の質、市場の競合状況、販売チャネルに応じた価格戦略などの要因、また、当該地域の経済状況、文化、銀行セクターの動向や金融規制などにも影響されます。アジアでは保険の販売チャネルの多様化が進む一方、各チャネルの潜在的なシェアは市場によって大きく異なっています。 レポートでは全体的なトレンドの概要を示すとともに、中国本土、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、日本、韓国、インドの各市場の販売チャネルについて説明しています。
このレポートは27図と4表を含む60ページで構成されています。