信託会社のプラットフォーム：ハイタッチからハイテクへの移行

銀行系信託会社の多くは、最新テクノロジーやビジネスプラクティスの導入によって、ハイタッチかつパーソナライズしたサービスを提供して顧客を満足させるという点で、依然として後れを取っています。しかし、顧客の期待の拡大、資産獲得競争の激化、事業規模の最適化の必要性などを背景に、いまや信託業務の刷新は不可避となっています。

セレントの最新レポート「信託会社のプラットフォーム：ハイタッチからハイテクへの移行」は、信託業界が市場シェアの縮小が続く近年の状況をいかに反転させ、再び競争力を取り戻す方法、また、信託向け会計システムを手がけるベンダーがいかにそれをサポートできるかについて考察しています。信託会社が自社に最適なサービスや商品を確立し、これまで業界が抱えてきたハイタッチサービスとスケールのトレードオフを打破する際、テクノロジーは鍵となるでしょう。

レポートでは、モバイルツール/テクノロジーの普及拡大や顧客サービスを向上させる上でバックオフィスシステムおよびクリーンデータが果たす役割など、顧客経験をめぐるその他のトレンドについても取り上げ、銀行が縦割り組織を打ち破り、チャネルの枠を超えて統一された顧客経験を提供できるようにする方法を提案しています。

「顧客は、1つの金融機関で保有する投資資産を全体として捉えており、証券会社、信託会社、銀行といったチャネル別にみることはありません。銀行は既存の縦割りシステムから脱却し、顧客の視点で統合的なプラットフォームを開発する必要があります」とセレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆したウィリアム・トラウトは述べています。