保険業界におけるBPOおよびSaaSの導入:本格化の兆し
Abstract
金融業界では、10年以上前からあらゆる分野でビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)が幅広く利用されてきました。唯一の例外であった保険業界にも、基幹システムのBPOが加速する兆しが見え始めています。
基幹システムの見直しを進めている保険会社は、バックオフィス機能を部分的または全面的にアウトソーシングすることで、現行世代以降にレガシーシステムが残らないようにするといった代替案を検討しています。セレントは、各保険会社のビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)に対するスタンスを調査し、最新レポート「保険業界におけるBPOおよびSaaSの導入:本格化の兆し」にまとめました。その結果、BPOのレベルを現状通り維持すると答えたのは50%、さらに引き上げると答えた保険会社は36%となり、両方を合わせると大多数を占めました。
この数字には、ベンダーが越えなければならない重要なハードルが反映されています。大部分の保険会社の認識において、BPOはSaaSより重要視されていますが、今後はSaaSの注目度が増すと見られます。
出典:セレント
「基幹システムのBPOやSaaSモデルの導入をいち早く進めている先行グループの保険会社は高い競争力を確保し、優位に立つとみられます」とセレント保険グループのシニアバイスプレジデントでレポートの共同執筆者であるクレイグ・ウェーバーは述べています。
「SaaSとBPOのハードルを乗り越えるためには、保険会社とSaaSベンダーが明確に定義されたサービスレベル契約(SLA)の遂行を通じて強力な関係を構築していくことが欠かせないでしょう。それが、柔軟性、敏捷性、総所有コストの削減といった現在のシステムが抱える最大の課題の克服につながるはずです」と、セレント保険グループのシニアアナリストでレポート共同執筆者のベンジャミン・モアランドは述べています。
本レポートはBPOとSaaSに関する市場の現状を明らかにし、保険会社が解決すべき主要課題に対するビジョンを提示しています。
このレポートは10図1表を含む24ページで構成され、調査に参加した保険会社の興味深いコメントも掲載されています。