米国の取引後処理業界:グローバル市場のリーダー
Abstract
ここ数年、米国では既存の取引所の優位性が薄れ、取引市場は40を超えるベニューに細分化されています。こうした複雑な市場は、新興国に多くみられる縦割り型の独占的な取引および取引後処理市場のしくみとは大きく異なります。一方、米国市場は、中小規模の取引後処理サービスプロバイダーが多数存在し、それが強みとなっています。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 米国の取引後処理市場で、最近目立つトレンドとは? |
2 |
米国市場におけるCCPおよびCSDのサービスにはどのような違いがあるか? |
3 | 米国市場における取引後サービスの特徴とは? |
本レポートは、同国における取引後処理環境の進化の様子を明らかにしています。取引後処理分野を支えているのはテクノロジーですが、米国は特にそれが顕著です。米国の主要プロバイダーは国内顧客の高度なニーズに対応するだけでなく、世界中の市場の進展と成長をサポートする役割も担っています。
取引後処理を手掛ける米国のプロバイダーは、それぞれの得意分野で支配的な立場を確立しており、本レポートではそれらのプレーヤーが過去数年間に商品ラインやテクノロジープラットフォームの強化を通じていかに進化を遂げてきたかを説明しています。国内の中央清算機関(CCP)および証券集中保管機関(CSD)では取り扱う資産クラスや新商品の増加に伴い、業務も拡大してきました。マルチアセット取引の重要性が増したことで、業務もより複雑化しています。
規制強化の動きが一因となり、投資サイクルを短期化し、より頻繁に機能向上を図る必要に迫られています。規制当局のガイドラインに準拠するため、多額の投資を行っているからです。
レポートでは、米国の取引後処理サービス市場の最新トレンド、同市場に進出しているCCPおよびCSDの直近の動きを他国の競合プレーヤーとの比較を含めて詳しく説明し、重要な課題とその克服に向けた戦略を紹介しています。
「取引後処理サービスは進化のスピードが速いため、主要プロバイダーは生き残りと成功に必要な投資を行いつつ、顧客に組織内の取引後処理プロセスの合理化をサポートするサービスを提供することが課題でした。リスクおよび担保の管理は、取引後処理サービスプロバイダーが自己を差別化するために取り組んでいる最も重要な分野の1つです」と、セレント証券プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。