2015年 英国の保険市場:ビジネスおよびIT上の優先課題
Abstract
英国の保険市場はいまだ世界で最も競争の厳しい市場の1つであり、その市場参加者の多さと販売チャネルの多様化を特徴とし、世界中の関心を集めています。セレントは今年、英保険会社9社に取材を行い、今年の業務上の優先課題が2016年のIT投資計画にいかに反映されているかを聞きました。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 英保険会社の2015年IT計画に影響を及ぼすビジネス上の要因は? |
2 |
英保険会社にとって、デジタル化をめぐる優先課題とは? |
3 | 英保険会社のIT投資はどこに向かっているのか? |
本レポートは、英保険会社の業務上の優先課題がいかにIT投資計画に反映されているかを以下の3つの分野に焦点を置きながら明らかにしています。
- 業務上の優先課題
- デジタル化とレガシーシステムの近代化に関するIT投資およびプロジェクト
- IT予算および支出
レポートを執筆するにあたっては、損害保険および生命保険会社への取材に加え、その裏づけとなる定量調査を行いました。
2013年以降、保険業界が重視するテーマは「コスト抑制とコンプライアンス」から「販売およびサービスのイノベーションを通じた成長促進」へとシフトしています。これまで保険業界にとって「デジタル」はいまだ答えの出ない課題でしたが、業務の自動化、アナリティクス、新たな提案に注力するプロジェクトが増えた結果、保険の基幹システム現代化、サービスの合理化、より有効なデータ活用に向けた新規投資が行われています。こうしたプロジェクトを効率的に実行し、変化を求めるニーズに応えることが引き続き最優先課題となっています。
「今後の投資計画も、引受け、業務の効率性、販売能力といった中核業務の迅速な実績改善につながるデジタル化への段階的な投資が主流になるとみられます。英国経済は成長加速の兆しが見えるとはいえ、世界経済の脆弱性、低金利、デジタル化に向けた消費者の期待の高まりなどを踏まえると、英保険会社は賢明なIT投資の継続が要求されています」とセレント保険グループのシニア・バイス・プレジデントでレポートを執筆した ジェイミー・マクレガーは述べています。
今後2年間は、英保険会社が引き続きIT投資を抑制する傾向が続くとみられます。
さらに、保険各社がアウトソーシングやクラウドベースサービスの利用を通じてIT部門の体制を見直し、それに伴い業務費の拡大が避けられなくなれば、こうした動きはさらに加速するでしょう。
本レポートは30p、2表と14図で構成されています。