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コミュニティ・バンクの衰退:巻き返しは困難

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2011/08/09

Abstract


米国ではここ15年間に商業銀行セクターの集中化がかつてないほど進み、預かり資産残高が100億ドル(約7785億円)を超える銀行の預金シェアが劇的な伸びを記録しました。上位5行の預金シェアは1995年時点では11%でしたが、今では35%近くに達しています。一方、預かり資産が1億ドル未満(約78億円)の銀行の数は1992年から2010年までの間に5,967行も減少しました。

セレントの最新レポート「コミュニティ・バンクの衰退:巻き返しは困難」はコミュニティ・バンクについて再び取り上げ、前回のレポート発行以降その数に変化があったかどうか調査しました。また、上位銀行にどの程度預金が集中しているかについても再調査しています。

前回レポートを発行した2009年1月から今日に至るまで、コミュニティ・バンクをめぐる状況はセレントの予測どおりの展開を見せています。効率性比率、銀行の数、預金シェアなどは予想の範囲内で推移してきました。銀行業務は20年前に比べて複雑さを増しており、それゆえ小規模の銀行はコスト面で一層不利な立場に追い込まれています。預金獲得業務は規模の経済に基づくものであり、このため最大手の銀行は連邦預金保険公社(FDIC)の定める上限まで預金残高を拡大しています。

「最小規模の銀行と最大規模の銀行を比べると、以前はほぼゼロだった効率性比率の差が今や25%程度まで広がっています。この差は時間の経過とともに拡大しており、今後もこの傾向が続くとみられます。業界を取り巻く環境が複雑化の一途をたどるなか、規制強化による負担は増し、販売チャネルは急速に多様化しています。小規模な銀行は、なお厳しい状況に置かれているのです」と、セレント銀行グループのシニアバイスプレジデントでレポートを執筆したバート・ナーターは述べています。

レポートでは、銀行の数とコスト指標である効率性比率について調査しました。さらに、銀行の預金獲得状況を資産クラス別に分析し、上位5行が買収・合併などを経て約35%の預金シェアを確保するに至った経緯を明らかにしています。