Web 2.0はホールセールバンキングの飛躍的な進歩を促進
Abstract
銀行はオンラインサービスに関してこれまでなかなか最初の一歩を踏み出せずにいましたが、今後2~3年のうちには変化の必要性を認識して根本的に見直しを図るとみられます。Web 2.0が、中小企業向けオンラインバンキングとキャッシュマネジメントを再定義することになるでしょう。
インターネットは絶え間なく変化しています。このチャネルは常に進化し続けることから、銀行は最新のテクノロジー、変動するビジネスモデル、さらには顧客 のニーズに対応するためのあらゆる努力を迫られています。多くの金融機関にとって変革はたやすいことではありませんが、市場での競争は激しく、銀行は過去 の変革の成果に安穏としてはいられません。また、顧客のニーズに対応するためにはギアを入れ替えて優先課題に再び焦点を合わせる必要があります。セレントの最新レポート「Web 2.0はホールセールバンキングの飛躍的な進歩を促進」は、Web2.0がホールセール向けオンラインバンキングの顧客経験をいかに変革しているかを検証・分析しています。
銀行の多くはどのような措置をとるべきか認識しているものの、他に先駆けて実践する銀行はほとんどみられません。しかし、今後3年間に多くの銀行で劇的な 変化が起きるとセレントはみています。一部の先駆的な銀行は次世代サービスの導入を開始する動きをみせていますが、完全なWeb2.0対応の企業向け銀行 サイトが登場するには少なくともあと1年から1年半はかかるとみられます。その理由として①銀行はAJAXの実装を簡単に決断できない②最新テクノロジー のセキュリティ評価に厳格な検査が求められる③IT予算が抑制傾向にある④ベンダーによる最新ソフトウェアの発売が2008年終わりにずれ込んでいる―な どが挙げられます。銀行側の対応の遅れにかかわらず、Web 2.0は現状を大きく変えるとみられます。Web2.0によって、バンキングに対する顧客の主要ニーズに対応しつつ、顧客経験、ユーザビリティ、顧客誘導を重視したソリューションが実現するでしょう。
「中小企業向けバンキングや企業向けキャッシュマネジメントのアプリケーションは豊富な機能を提供しているものの、表示画面の概観などの全体的な印象が陳 腐化しているほか、使い勝手も悪く、顧客の真のニーズには対応できていません。一部の銀行は残念ながら現状のままだとみられますが、中には顧客経験および 顧客関係の向上という最終目標に向けて既に大胆な変革や革新の必要性を認識し始めた銀行もあります」と述べるのはセレント銀行プラクティスのシニアアナリ ストでレポートを執筆したジェイコブ・イエーガーです。
レポートではまず、ダッシュボードやその他の企業向けバンキング機能(情報の報告や決済など)にリッチインターネットアプリケーション(RIA)が適用可 能であるかを検証しています。次に、オンラインコミュニティやブログを使っていかにソーシャル・ネットワーキングを中小企業および大企業向けオンラインバ ンキングに導入できるかを探っています。最後に、銀行のホールセール業務でWeb2.0の普及がなかなか進まない理由を考察しています。
本レポートは9図と1表を含む32ページで構成されています。