生命保険会社のエージェントチャネル向けデジタル投資は、ここにきて熱気を帯びつつある。コロナウイルスのパンデミックと販売プロセスのバーチャル化を機に、保険会社はエージェント向け販売ツールキットのデジタル化を猛烈に加速させている。2020年に発生した出来事が日常業務に対する人々の取り組み方に影響を及ぼしたことは誰の目にも明らかである。新たなバーチャル世界は生命保険会社に業務モデルのデジタル化を促し、その多くは生き残りと成功をかけてソリューションプロバイダーと連携しながらデジタル化の課題に取り組んでいる。新たな生命保険商品の年間保険料は低下しているものの、保険会社の多くが保険契約件数は伸びているとしている。その理由として、パンデミックの影響と対面販売以外の商品販売チャネルの拡充を背景に、生命保険商品への消費者の関心が高まっていることを挙げている。生命保険商品全般で消費者へのD2Cによる販売が急増しているが、その他の販売チャネルの販売減によって増加幅はやや縮小している。
2021年の見通しはどうだろうか。セレントが2020年10-12月期に複数の保険会社に聞き取り調査を行ったところ、各社とも集中投資の対象を見直して業務のデジタル化を加速させていることがわかった。調査結果の詳しい内容は、2021年2月11日付レポート「The Pandemic Effect on Sales and Distribution in Life Insurance」を参照されたい。
本レポートは、パンデミックが生命保険商品の販売に及ぼした具体的な影響とD2Cチャネルをめぐる保険会社の考え方に焦点を当てている。
調査結果からは、生命保険市場の大部分の参加者がバーチャルによる販売チャネルの拡充に向けて投資方針の転換を迫られたことがわった。パンデミック前に消費者とエージェントが求めていたのは、セルフサービス機能やいつでもどこでも利用可能なバーチャルコミュニケーションなど、他の業界と同レベルの先進的なデジタル機能だった。保険の観点からみると、パンデミック下での必要に迫られた結果、今やそうしたニーズは満たされたように見える。
同社経営陣がパンデミックの影響が残るなか2021年度予算を策定するにあたり、重大な課題の1つとなったのは、各保険会社のデジタル事業戦略にとって最適であると同時に、既存/新規販売チャネルの拡充とサポートに向けて最大の価値をもたらすとみられるテクノロジーの選定である。調査の設問の1つからもわかるように、保険会社が投資対象をエージェントの販売チャネルをサポートするテクノロジーへとシフトした背景にはパンデミックによる多大な影響があった。
投資はエージェント自動化の加速に向けられており、新たなバーチャル販売モデルのサポートを通じてエージェントまたは外部の販売チャネルから最大の価値を確保することを目指している。今や保険会社は伝統的な対面モデルを強化し、幅広い顧客ニーズに対応可能なバーチャルによる代替チャネルを構築するチャンスを手にしている。
リンクをクリックし、レポート「The Pandemic Effect on Sales and Distribution in Life Insurance」の全容をご覧いただきたい。