フロント・ツー・ミドルオフィス・プラットフォームを提供するベンダーの状況:北米ウェルスマネジメント編
2021年のベンダー業界、VendorMatchを利用した評価
Abstract
北米のウェルスマネジャーは、不安定なマクロイベント、手数料の圧縮、世代間の資産移転を受け、今後1年は困難に直面することになる。欧州の同業他社と同様に、パンデミック対策で在宅勤務が推進される中、伝統的なアドバイザリーモデルや運用モデルは圧力を受けてきたが、これらのモデルを形成する上で、今後もCOVID-19は重要な役割を果たすだろう。これらの金融機関にフロント・ツー・ミドルオフィス・プラットフォームを提供するベンダーは、独自の顧客エクスペリエンスを実現するソリューションの提供を求められている。特に、最新のポイントソリューションをレガシーシステムに統合することへの需要が高まっており、市場はローカライズされたベンダーでにぎわっている。
本レポートでは、北米のフロント・ツー・ミドルオフィス・プラットフォームのプロバイダーを取り上げる。その内容は、2017年に発行した下記のフロントオフィス関連レポートを更新したものである。
·North American Wealth Management Technology Vendors: Evaluating Front Office Platforms
また本レポートは、2020年に発行した下記の欧州・中東・アフリカのフロント・ツー・ミドルオフィス・プラットフォーム関連レポートを補完するものでもある。
本レポートはフロント・ツー・ミドルオフィス・プラットフォームを手掛ける北米の主要ベンダーに関するレポートの第2弾で、ここで取り上げたベンダーは、Charles River、Equisoft、Finantix、InvestCloud、InvestCloud Financial Supermarket Division(旧Tegra118)およびObjectwayである。ただし、レポートが作成されたのは、InvestCloud、Finantix、Tegra118の統合発表前である。この分野の有力ベンダーとしては他にIntellect Design、Refinitiv、Temenosなどが挙げられる。
当初、レポートではセレントの「ABCDベンダービュー」を使ってベンダーを評価し、①テクノロジーの先進性②機能の幅③顧客基盤④顧客サービスの拡充度の4つのカテゴリー別に各ベンダーの相対的なポジションをXY座標上に示す予定であった。しかし、市場の統合を受け、今回はベンダー業界について取り上げ、注目すべき点を指摘して業界全体の素晴らしい成果を評価している。