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アジアの取引所:遅れを挽回

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2016/10/05

Abstract

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 時価総額と売買高でアジア太平洋地域を代表する証券取引所は?

2

アジア太平洋の主要取引所はシステムの自社開発とアウトソース、いずれを選好しているか?
3

アジアの取引所のテクノロジーを欧米の競合相手と比べると?

アジア太平洋地域の取引所を取り巻く状況は、ここ10年で大きく変わりました。これまでアジアの取引所は欧米の主要取引所に追いつくことを目指してきました。テクノロジーや商品ポートフォリオの豊富さで後れを取っていたからです。アジア太平洋の取引所の多くは、規模や先進性で圧倒的な優位に立つ海外の競合相手に見劣りするかもしれませんが、テクノロジープラットフォームを定期的にアップグレードするなど、大きな前進を遂げています。また、各市場で国内投資家(および最近は外国人投資家も)のニーズに合った新商品を加えることで商品ポートフォリオの幅を広げる取り組みも続けています。

各取引所の戦略には、大きな違いが見られます。大規模な変革により機能の一新を図ってきた取引所がある一方、より慎重で漸進的なアプローチをとる取引所もあります。

もう1つ、取引所によってアプローチが異なるのは、システムを自社開発するか、外部のベンダーと共同開発するかのいずれを選ぶかという点です。一部の取引所は独自のマッチングエンジンと取引後処理システムの開発に成功しています。一方、システムの一部を自社開発し、その他は外部のベンダーから購入するミックスアプローチを選ぶ取引所もあります。その場合も、単一のテクノロジーベンダーと提携する取引所と、要件に応じて複数のベンダーと提携する取引所に分かれています。

「アジアの主要取引所はシステムの外注をめぐって異なる戦略をとっており、社内で開発するか、外部のベンダーに委託するかのいずれかを選択しています。留意すべきは、2つの選択肢を組み合わせるか複数のベンダーと提携する場合は、最先端のテクノロジーにアクセスすることができますが、異なるシステム(多くの場合、経過年数も異なる)の統合が容易に進まない可能性もある点です」と証券グループのシニア・アナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。