2014年 世界の非現金決済の現状:トレンドと展望【抄訳版】
Abstract
(このレポートは2014年12月3日に"Noncash Payments: Global Trends and Forecasts, 2014 Edition " というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2015年2月3日に発行しました。)
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全世界における非現金決済取引件数は、2013年に3,457億件に達しました。セレントは、同件数が2017年には4,112億件数に増加すると予測しています。小切手による決済は引き続き減少傾向にあり、デビットカードは現金に次ぐ決済手段として地位を固めています。
セレントの最新レポート「2014年 世界の非現金決済の現状:トレンドと展望」は120を超える国の決済関連データを決済手段や地域ごとにまとめています。
「調査結果からは2つのトレンドが読み取れます。まず、デビットカードは群を抜いて普及している決済手段であり、更なる増加傾向にあることです。ライバル製品とも呼べるApple PayやPay Palさえも、デビットカードと連携した決済サービスを提供し始めています。かつてはApple PayやPay Palがデビットカードの市場を奪うのではないかと予想する向きもありましたが、現状はデビットカードの需要拡大に貢献しているようです」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したガレス・ロッジは述べています。
「2つめのトレンドは、世界的に小切手の利用が減少していることで、調査対象期間には年率11.2%のペースで減少しました。小切手の完全廃止が目前に迫っている国もありますが、なかなか小切手離れできない国もあるでしょう。例えば2013年に世界で発行された小切手の60%近くは米国で発行されています。米国の小切手を使う習慣はそう簡単に廃れることはなさそうです」とロッジは付け加えています。
レポートでは、3つめのトレンドとして新興市場の急速な経済成長を挙げています。BRIC諸国は2012年から2013年における世界全体の決済取引数の約15%を占めており、アジア太平洋地域全体に加え、BRIC諸国も今後の市場成長に注目すべき地域と言えます。
セレントでは、100カ国以上の決済システムを調査・検証した結果(一般公表データ含む)とアナリスト独自のリサーチで収集した情報を組み合わせ、グローバル決済データベースを作成しております。国によってデータソースが異なるため、データの比較は困難な作業でした。規制環境、携帯電話の契約件数、ATM設置台数に至るまで様々な角度から収集されたデータを分析・解釈し、セレント独自の豊富な情報としてまとめています。