2020年のニューノーマル
テクノロジーでCOVID-19を克服する
金融機関をはじめ日本の大企業は、オフィスワークが原則だった。複雑な課題に対峙する場合や重要な議論や意思決定をしたい場合はもちろん、通常業務の大半を自社のオフィスにおいて、関係者が一堂に会して行ってきた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、出張制限、会議規模の縮小に止まらず、日常業務全般でこうした原則への挑戦を促す。リモートワークは2020年のニューノーマルとなり、金融機関経営に大きなインパクトをもたらすだろう。
恒常的なリモートワークは、より優れたリモートミーティング(電話会議やWeb会議)および仮想コラボレーションアプローチ(遠隔地での共同作業)に対する大きな需要を生みだす。それは、これまでの対面でのミーティングやオフィスワークを例外とし、リモートワークを前提とした業務プロセスに加え、就業規則や人事・勤労管理のルールを必要とする。顧客対応を含む業務の場合、一部のプロセスは根本的に再設計が必要だろう。しかし、そのためのより入念な業務計画、UI/ UXを尊重した思慮深いプロセス設計、そして品質と生産性の十分な考慮は、これまでのBPR(業務プロセス再設計)が実現できなかった抜本的な「働き方改革」を実現する。
また、COVID-19は多くの不確実性や大きなボラティリティ(価格や取引量の変動)を引き起こしている。こうしたリモートワークの設計と実施は、時間との競争であると同時に、変化への対応力を問われる。つまり、金融機関をはじめ日本の大企業が苦手としてきたアメーバ型組織(情報やデータドリブンな、自律的・可変的な組織運営)への変貌も不可欠だ。リモートワークの設計と実施は、仮想的なプロセス設計とその運用上の修正や高度化を必要とする。その過程では、これまでの硬直的なBC/ DR(事業継続・災害対策)の修正を伴うだろう。
ポイントは、この道は戻れないことである。感染症対策の経験に学んだ金融機関は、業務継続性の観点だけでなく業務コストや品質、生産性の観点からも、ITによるリモートワークをニューノーマル(既定値)とすべきだ。危機を克服したその先には、コスト削減と生産性向上の両立、そして新たなイノベーションのアリーナが広がるはずだ。
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セレントとオリバー・ワイマン、マーシュ・アンド・マクレナンは、こうした2020年のニューノーマル「リモートワーク」を含む、COVID 19対応の様々なインサイトを提供している。
WHAT CORONAVIRUS MEANS FOR WORKING TOGETHER REMOTELY
Oliver Wyman's Responding tp Coronavirus Hub Page
Marsh & McLennan's Coronavirus Hub Page