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アジアのOTCデリバティブ先進国

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2013/09/24

Australia, Hong Kong, Japan, New Zealand, Singapore

Abstract


アジアのOTCデリバティブ市場は、世界市場と比較するとその規模は小さいものです。オーストラリア、香港、日本、ニュージーランド、シンガポールの先進5ヵ国がアジアにおける2012年のOTCデリバティブ売買高の90%を超え、290兆米ドルに達しています。

セレントのレポート「アジアのOTCデリバティブ先進国」は、これらの国々におけるOTCデリバティブ市場の現状について分析しています。いずれも、成熟した経済および金融サービス市場を持ち、世界の金融市場とつながりが深く、外資参入が許容された比較的オープンな規制環境といった面があります。そして、アジア市場は欧米とは異なり、多様性に富み、経済発展のレベル、規制、通貨体制も様々です。このため、地域色の極めて高い市場が多く混在しており、その例外として挙げられるのが香港とシンガポールといえるでしょう。

これらの国における2009年のOTCデリバティブ売買高は、金融危機の影響を受けて6.7%減少しました。とはいえ、市場はそれ以降回復傾向にあり、2009年から2012年の年平均成長率(CAGR)は7.1%を示しています。外国為替デリバディブはこれら5ヵ国で最も取引されており、総売買高の72%を占めています。大きく離されて金利デリバティブがこれに続き、17%を占めています。アジアでは、他の資産クラスは顕著ではありませんが、商品デリバティブはとりわけシンガポールにおいて急速に伸びています。


「規制変更にけん引され、清算集中化と取引報告関連が新たなビジネス機会をもたらすでしょう。アジアにおいては取引所が重要な役割を果たしているため、各地の取引所はこの地域内でのシェアを獲得すべく動いてきました。しかしながら、乱立するCCPや売買高の低迷などにより、行き場を失うものも出てくるでしょう」と、セレントの証券グループのアナリストでレポートを執筆したアリン・レイは述べています。

本レポートは、アジアにおけるOTCデリバティブ市場の発展を検証し、市場参加者への影響と課題を分析しています。また、それぞれの国における問題点とトレンドについても解説しています。