2022年 リテールバンキングにおけるIT戦略と優先事項:パンデミックからの脱却を加速する
2022/03/27
Key research questions
- 2022年、リテールバンクのテクノロジー投資を促す最も重要な要素は何か?
- 商品やテクノロジーの観点から主な投資分野は何か?
- 銀行はオープンエコシステムの機会にどう対応しているか?
Abstract
2022年はリテールバンキング業界にとってイノベーションの年となるだろう。パンデミックによる影響がほぼ峠を越え、顧客の求めるものが明確になってきた今、業界は成長促進へ注力している。
IT投資を明らかに重視していることがその表れである。業界全体にわたり、大小問わずあらゆる金融機関がテクノロジー予算の大幅な拡充を発表しており、その多くが自行の商品、エクスペリエンス、業務における様々な機能強化に活用する明確なプランを掲げている。世界的に見ると、リテールバンクのIT予算は対2021年比で平均して4.4%増加したと報告されている。2023年にはさらに予算が拡大すると見込まれているが、これはリテールバンキング業界がパンデミックからの脱却を加速させる中、テクノロジーを活用した成長への欲求が高まっていることを示している。
この業界において、商品レベルでの戦略的なテクノロジー優先事項について新たな手がかりとなるよう、セレントはバンキングIT戦略調査(CBISS)を開始した。そして約200行近くの銀行と綿密な意見交換を行う中で、これから先1年の技術的最優先事項と、最も大きな変化が予想される商品およびプロセスに関して詳細なインサイトを集めた。
本レポートでは、業界全体での銀行による投資への見通しと重要な戦略的課題について詳述する。
主な調査結果:
- 銀行の75%がフィンテックやチャレンジャーバンクによる脅威は1年前よりも高まっているとの考え
- 49%がオープンバンキングへの投資を2022年のテクノロジーの優先事項のひとつとして言及
- 48%がパブリッククラウド・インフラへのワークロードの移行に注力
- 56%がデジタル融資体験に投資しており、それは商品の最優先事項となっている
- 73%が自組織にはオープンエコシステムと連携するための明確な戦略があると報告
リテールバンキング業界への教訓は明白である。どの地域の銀行にとっても資金調達におけるイノベーションは重要な戦略的原動力である。投資をしなければ市場から取り残される可能性がある。