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中国のSaaSと金融業界での利用状況

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2008/08/28

Abstract


SaaS(Software as a service)は多くの分野に利用されて成功を収めており、今後10年間のソフトウェア開発を象徴する存在となっています。世界のSaaS市場の規模は 年率25%のペースで拡大を続け、2011年には193億米ドル(約2兆800億円)に達すると予測されます。中国のSaaS市場は年率33%のペースで 成長し、38億米ドル(約4,100億円)に拡大するでしょう。

過去10年間にSaaSベンダーは市場拡大のために多額の投資を行ってきました。今後10年間はSaaSベンダーにとって新たなゴールドラッシュが始まり、その過程で競争が激化するとみられます。 セレントの最新レポート「中国のSaaSと金融業界での利用状況」は、SaaSのプロバイダーを①通信事業者②ソフトウェア・プロバイダー③プラットフォーム・プロバイダー④サービス・プロバイダー⑤デスクトップ・プラットフォーム・プロバイダーの5つに分類しています。

金融業界でSaaSの利用がいまだ広がっていないことは明らかですが、状況は変化しつつあります。Salesforceはメリルリンチに人事関連の SaaSを提供し、25,000人のユーザーを確保しました。また、金融機関として初めてSaaSによる顧客向けの文書サービスを提供したウェルズ・ ファーゴのほか、他の多くの金融機関がSaaSモデルに基づく金融分析商品を提供しています。

「SaaSを従来のソフトウェアモデルと比べた場合、エンドユーザーにとっては①構築コストが安い②保守管理コストが安い③用途の幅が広い④アプリケー ションリスクが小さい―という主に4つの優位性が備わっています。一方、ユーザーがSaaSサービスの導入に踏み切れない理由としてセキュリティ要件、市 販のソフトウェアに対する優位性の証左がないこと、信頼性、サービスの可用性などが挙げられます」とセレントのアナリストでレポート執筆者のフア・ジャンは述べています。

本レポートは3表と7図を含む26ページで構成されています。

注)ドルから日本円への換算レートは、2008年7月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。