財務担当者の視点からみた財務管理システム
Abstract
ここ30年で財務管理システムは著しく進化していますが、その背景には市場および規制の変化があります。今回のレポートは、財務担当者にとっての主な懸念材料となっている分野を取り上げ、そこから健全な財務管理システムが対応すべきシステム要件を特定しています。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | テクノロジーの進化は財務担当者の役割にどのような影響を及ぼしてきたか? |
2 |
組織の中での財務担当者の戦略的な役割は、彼らの管理責任にどのように影響しているか? |
3 | 財務担当者の戦略的役割をサポートする、優れた財務管理システムの必須基本機能は何か? |
過去30年間に財務管理サービスの範囲が拡大したのに伴い、それをサポートする財務管理システムも進化してきました。市場や規制が変化するなか、財務担当者をサポートしてきたのはテクノロジーであり、だからこそ財務担当者は管理システムに頼るようになり、さらに進化するといった、好循環によって財務管理システムは発展してきました。
金融および資本市場の進化とこれらの市場における競争の激化は、今日の財務担当者にとって諸刃の剣であり、投資リターン創出の可能性が高まると同時に、監視・管理すべき財務リスクも拡大していることを意味しています。
セレントの最新レポートは財務管理システムの概要と歴史を明らかにし、今日の企業における財務担当者の役割について考察しています。そして、財務部門の管理対象として「M」で始まる7つの分野を挙げています。また、財務管理システムを選定する際に考慮すべき要件として、「R」で始まる7つの項目を取り上げています。
「財務管理システム市場では、ここ数年合併に伴う業界再編が進行していましたが、落ち着いてきました。財務担当者は、日常業務を効率化し、常に変化する資本市場に対応できる柔軟性とアジリティを備えた財務管理システムを追及し続けています。そして、こうしたシステムは導入しやすい価格設定で提供されています」とセレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジェームス・オニールは述べています。
セレントは今後発行するレポートで財務管理システムの市場調査を行い、有力なプレーヤー(銀行とベンダーの両方)を特定するとともに、これらのプレーヤーが顧客企業のニーズにどの程度対応できているかを評価します。