ナスダック市場の注文執行クオリティ
Abstract
ナスダック市場では電子発注システム(EOB)が取り扱い銘柄のシェアで引き続き圧倒的な優位にあるものの、累積ベースでは前回調査を行った2012年11月の82%から今回は76%に減少しています。一方、マーケットメーカーのシェアはこの間に17%から23%に上昇しています。
セレントの最新レポート「ナスダック市場の注文執行クオリティ」は、2013年5月1日から7月31日までの3ヵ月間に執行された180億件を超える売買注文の分析結果をまとめたものです。セレント証券グループ・シニアアナリストのアンシュマン・ジャスワルが、155の市場参加者を注文執行スピードと約定価格に基づいて評価し、ランク付けしています。
総合ランキングでトップ3になったのはBATS Exchange、NYSE ArcaとBATS Y-Exchangeです。このほかEDGA Exchange、EDGX Exchange、UBS証券なども上位にランクされています。 マーケットセンターのタイプ別では、マーケットメーカーとEOBのカテゴリーで評価にばらつきが出る傾向があります。
表1はEOBの総合ランキングを示しています。約定価格の改善ではLeveL ATS、NYSE ArcaおよびBATS Exchangeが、注文執行スピードではBATS Y-Exchange、BATS ExchangeおよびNYSE Arcaがそれぞれ上位にランクされています。今回の調査では、これらの2つを総合したランキングでNYSE ArcaとBATS系の2つの証券取引所がトップ3を占めています。
表2はマーケットメーカーを比較した結果を示したもので、約定価格の改善ではTwo Sigma Securities、ゴールドマン・サックス、UBS証券が最も高い評価を受けたのに対し、注文執行の平均スピードではGetco Securities、UBS証券、クレディ・スイス、Knight Capitalが上位にランクされています。 総合ランキングではUBS証券とKnight Capitalが他をリードしています。