中南米のモバイルバンキングアプリの現状:What's App, Doc?
2017/01/09
Abstract
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 中南米ではどのようなモバイルバンキングアプリが選好され、どのようなトレンドが見られるか? |
2 |
中南米の顧客向けモバイルバンキングアプリはどのような機能を提供しているか? |
3 | 全体として、中南米のこれらのアプリの機能はどの程度の水準か? |
世界的に銀行のデジタル化が一段と進むなか、中南米でもほぼ全ての銀行がモバイルアプリを導入しています。今や金融機関によるアプリの導入は世界的な流れとなっていますが、その機能には国や銀行によって違いがみられます。
本レポートでは、中南米10ヵ国に拠点を置く銀行50行の158に及ぶアプリについて分析し、それらの主な特性とトレンドを明らかにしています。
中南米の銀行の90%はモバイルアプリを提供しています。市場シェアはアンドロイドが36%とアップルのiOSが35%と拮抗しており、ブラックベリーの18%とウィンドウズの11%が続きます。同地域の銀行のうち66%は、少なくとも3つのプラットフォームで顧客向けアプリを提供しています。
同地域で普及しているアプリは残高照会、支払い、店舗案内サービス、サポートといった機能を提供していますが、アプリを通じた融資や口座開設申請手続きを行っている銀行はほとんどありません。
「銀行にとって、スマートフォンはデジタル戦略の重要な要素となっています。スマートフォンでのアプリ利用が広がれば、銀行は低コストチャネルを通じたサービスを拡大することができます。コールセンターや支店といった既存チャネルは最終的にこうした低コストチャネルに移行するとみられ、そうなれば取引の大部分はセルフサービス機能で執行されることになります」と銀行プラクティスのアナリスト、ルイス・チパナは述べています。