自動車保険のニューノーマル? テレマティクスと利用ベース保険(UBI)
Abstract
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 保険会社はどのような問題に直面しているか? |
2 |
保険会社はテレマティクスに基づくUBI(利用ベース保険)をどう捉えているか? |
3 | 利用ベース保険は自動車保険業界にとって最後のフロンティアか? |
テレマティクスに基づく利用ベース自動車保険がもてはやされているようですが、テクノロジーの進化に伴い、保険会社はUBIへの投資を行うべきか、それとも次の段階へ一足飛びに進むべきかの判断を迫られるかもしれません。
自動車保険は世界で6,700億ドルの規模を持つ魅力的な市場で、そのうち上位10の市場が全体の76%を占めています。UBI商品はそれら全ての市場に投入されていますが、自動車保険におけるリスクの織り込み方や管理方法が変わるため、既存の有力保険会社の勢力図にも影響を及ぼしています。各社とも自動車のUBI保険商品に関しては複雑な思いを抱いていますが、先駆的な保険会社が道を開いたことで短中期的に普及が広まるとの見方が強まっています。
スマートな機能を備えた車が一般的となり、自動運転への移行が進む中、現在のUBIは移行段階に入りつつあります。
「衝突防止および自動運転の技術が成熟するにつれ、リスクの特性とその評価方法も根本的に変わる可能性があります。デジタルの普及、アナリティクス、人工知能、マシンラーニング、さらにモノのインターネットにより、あらゆる分野で保険に対して、今までとは全く異なるアプローチをとることが可能になっています。こうした保険商品は顧客のライフスタイルに即し、顧客固有の状況に応じてリスク評価方法を調整する一方、保険料は利用ベースになるでしょう。こうしたアプローチは、社内のほぼ全ての中核機能に影響し、それに伴って様々な必要がでてくるでしょう。また、コアシステムの機能、デジタルソリューション、データ統合、アナリティクス、マシンインテリジェンス、サードパーティとの提携、インフラおよびデータ所有権をめぐって、決断していかねばならなくなるでしょう」と保険プラクティスのシニア・アナリストであるホアン・マツィーニは述べています。