世界の保険業界のIT投資動向
2014/04/07
Abstract
北米、欧州およびアジア太平洋地域の保険会社によるIT投資総額は2014年に1.621億ドル(16.6兆円)となり、その後も拡大を続けて2016年には1,767億ドル(約18兆円)に達し、年率で4.4%の伸びとなる見通しです。これは昨年の予想を上回る伸び率で、世界経済の緩やかな回復を反映した結果となっています。
投資拡大のレベルは地域によって違うものの、全ての地域で確認されており、中でも北米および南米は最も高い伸びを見せています。現在、世界の保険会社によるIT投資総額のうち74.5%は欧州と北米の保険会社によるもので、アジア太平洋地域の保険会社が18.3%、中南米の保険会社が4.2%でこれに続き、残りの3.0%は中東/アフリカ地域が占めています。
「世界的に投資は再び拡大傾向に向かいつつあります。保険会社がサービスコストの抑制を図るなか、オンラインでの販売や顧客獲得に注目が集まっています。ただし、投資拡大ペースは地域によって差があり、南北アメリカやアジアが高い伸びを示している一方、欧(州では引き続きばらつきがあります」と、セレント保険グループのシニアバイスプレジデントでレポートの共同執筆者であるジェイミー・マクレガーは述べています。
「保険会社の投資リターンはなお低水準で、各社とも中核業務の業績改善に注力しています。つまり、システム投資を通じて顧客の獲得・維持と引受け業務の業績最大化を目指しているのです」とアナリストでレポートを共同執筆したカレン・モンクスはコメントしています。
注)米ドルから日本円への換算レートは、2014年3月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。