2023/03/13
価格発見と執行の進化
Abstract
市場インフラの課題、規制への対応、自動化の進展、クラウドの普及などを背景に、債券商品を取引する仕組みは進化を続けている。一方、中央銀行がインフレ対策として市場から流動性を排除する中、業界とその規制当局は流動性の課題への適応と準備に苦慮している。このような状況において、自動化と技術革新がこうした課題に対処し、新しい取引形態の可能性を生み出しており、それにより、このアセットクラスを取り巻く市場構造を分断するリスクのある複数のプレッシャーポイントが発生している(図1参照)。
本レポートでは、こうした動きが債券(FI)商品のセカンダリー「店頭」(OTC)取引に与える影響について考察する。セレントは、証券や金融商品店頭デリバティブの売り手と買い手の取引を可能にする市場構造とテクノロジーの共通部分について調査してきた。その結果、この共通部分が生み出す課題に対応し、機会を実現するための業界アプローチは、実に多様であることがわかった。