DIMENSIONS:北米の生命保険におけるITの課題と優先事項:2024年版
2024/02/14
Abstract
セレントは毎年、北米の生命保険会社の技術担当役員を対象に、ビジネスの優先順位、IT予算、投資について調査しており、欧州・中東・アフリカ、アジア太平洋地域、中南米についても同様のレポートを発行している。2023年12月と2024年1月に、セレントは北米の生命・年金保険会社の技術担当役員を対象に、個人保険と団体保険についてのオンライン調査を実施した。調査期間は比較的短かったが、ビジネスの優先課題、IT予算、投資計画、生成AI/大規模言語モデル (LLM) など、幅広いトピックをカバーしている。調査結果の一部は以下の通り。
・2024年の投資計画では、サイバーセキュリティがビジネスの優先事項のトップに浮上し、デジタル化の促進とイノベーションがそれに続いている。成長は引き続きIT投資計画に影響を与えるが、コスト抑制も重要な検討事項であるため、支出は過去3年間よりも抑制されている。
・北米の生命保険会社のIT 支出はパンデミック前のレベルまで落ち込んでいる。現行システムの維持がIT 予算の半分以上を占めており、保険会社は過去数年間に行った投資の実施と強化に重点を置いている。サイバーセキュリティ予算は増加の一途
・保険契約管理システムへの投資は基幹システム計画のトップであるが、保険会社が代理店の効率化やユーザーエクスペリエンスの向上を目指しているため、フロントエンドへの投資は回復している。データおよびアナリティクスへの投資計画には、既存システムの大幅な強化や保守が含まれている。
・北米の生保各社は現在、生成AI/LLM を積極的には利用していないが、そのほとんどが利用を計画しているか、開発中である。ユースケースは社内業務や契約者向けサービスで試験的に導入されている