純資産総額(NAV)を見守る:監視ツールおよびコンティンジェンシー・ツール
現在の状況および過去のビジネスドライバー
Abstract
本レポートでは、純資産総額(NAV)の監視/ コンティンジェンシー・ツールのエコシステムにおける主要ベンダーの現状を概説する。また、この極めて重要なプロセスの進化を促す重要なビジネスドライバーにも焦点を当てる。さらに歴史的な背景として、監視/ コンティンジェンシー・ツールに対するアセットマネジャーの見解に影響を及ぼす重要イベント(新型コロナウイルスのパンデミックを含む)についても説明する。
ここ数年、発行市場のNAV評価に対する関心が高まりつつある。外因的イベントと業界特有のイベントが重なったこともあり、アセットマネジャーは契約管理代行者(TPA)やカストディアンが算定する価格の正確性を確かめるための独立した検証手法を求めるようになっている。また、アセットマネジャーの間では堅固なコンティンジェンシー・ツールを導入する動きも広がっている。ファンドアドミニストレーターのシステムが停止した場合、そうしたツールを使えば正確なNAVを割り出せる。セレントが20数社のアセットマネジャーに取材したところ、次のような質問が多く聞かれた。
・カストディアンやファンドアドミニストレーターが算定するNAVをどのように検証すればよいか?
・NAVの算定業務委託先の事業またはシステムが停止した場合、どのようにNAVを算定すればよいか?
・マニュアルプロセスを自動化し、スケーラビリティを向上させるにはどうすればよいか?
・流通市場でのNAVを取得する必要はあるか?いかに独立性を維持することができるか?
・自社のコンティンジェンシー/事業継続計画(BCP)でNAVをどのように扱えばよいか?
監視およびコンティンジェンシーを重視する動きが広がっていることを受け、NAVに関するサービスを提供しているベンダーは、自社の製品・サービスの改善と市場における同業他社との差別化を図るためにより多くのリソースを投入している。
(詳しい情報は、セレント 北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください)