カスタム型ターゲットデート・ファンド:イノベーションの恩恵を享受するプランスポンサー
Plan Sponsors Enjoy Innovations in the Fund Market
Abstract
2006年に年金保護法が施行されて以来、確定拠出年金市場ではターゲットデート・ファンドが急成長しています。ところが金融危機を受け、プランスポンサー、加入者、そして規制当局もこうしたファンドに対して懐疑的な見方を強めています。プランスポンサーへのサービス向上に向けた次のステップとして、カスタム型のターゲットデート・ファンドが注目されています。
セレントの最新レポート「カスタム型ターゲットデート・ファンド:イノベーションによる恩恵を享受するプランスポンサー」は、米国の退職年金制度をめぐる新たな動きとして、カスタム型ファンドの利用状況を明らかにしています。
ターゲットデート・ファンドをカスタム化することで、特に大手のスポンサーは自らの投資選好、投資方針綱領、年金給付方針、社員構成に合わせてファンドを選定できるようになります。また、プランスポンサーは実際の運用マネジャーの選定、資産多様化のための手段獲得、各企業の社員構成に応じた運用先の確保が可能になります。
「プランスポンサー(その多くは大企業)は、『既製の』標準的なターゲットデート・ファンドでは加入者のニーズに十分対応できないと感じており、投資商品を組み合わせてカスタム型のターゲットデート・ポートフォリオを構築するようになっています。こうしたカスタム型ファンドは1つの確定拠出年金プランを想定して構築される場合もあれば、特定の企業の投資選好、投資方針綱領、年金給付方針、社員構成にきめ細かく合わせて構築される場合もあります」とアナリストでレポートを執筆したアレキサンダー・カマルゴは述べています。
レポートではターゲットデート・ファンドについて説明し、金融危機が同ファンドの市場に与えた影響を明らかにしています。また、カスタム型ターゲットデータ・ファンドとはどのようなものか、どのような金融機関がカスタム型ファンドの組成を担うべきか、プランスポンサーがカスタム型ファンドを採用する際にはこのほかにどのような業務上の要件を考慮すべきかについて考察しています。さらに、カスタム型ファンドが既製のターゲット・ファンドに比べて優れている点をまとめています。最後に、同ファンドの現在の市場規模を推計し、2015年時点の市場規模を予測しています。