勘定系システムのグローバルベンダー:ついに米国市場に参入
Abstract
グローバルベンダーは長年にわたり米国の勘定系システム市場への進出を目指し、競争が激しく巨大なこの市場での基盤構築に向けて大規模な投資を続けてきました。
米国には世界のどの国よりも多くの金融機関があり、グローバルベンダーにとっては投資に値する魅力的な市場といえるでしょう。同市場には高い参入障壁があるものの、これを越えようとする一部のグローバルベンダーの努力がここにきて実を結びつつリます。
本レポートは北米における勘定系システムの市場動向を明らかにした上で、同市場で実績を拡大しつつあるグローバルベンダーを個別に取り上げています。
北米(米国およびカナダ)の勘定系システム市場の2013年の売上高は29億ドルと推計されます。今後も年平均3.7%のペースで拡大を続け、2017年には33億ドルに達する見通しです。同市場は規模が大きく、高い利益が見込まれる上、なお拡大傾向にありますが、ビジネスチャンスが期待できるのは勘定系システムではなく主に補助システムの販売でしょう。
「国内ベンダーの再編が進んだ結果、レガシー勘定系プラットフォームを開発できる人材が減少したため、グローバルベンダーに市場参入のチャンスが広がっています。米国の銀行市場は、勘定系システム入れ替えの重要な転換期へと着実に近づきつつあります」とセレント銀行グループのシニアアナリストでレポートの共著者であるジェームズ・オニールは述べています。
「勘定系プラットフォームの多くは、長年をかけて複数の補助的ソリューションが組み込まれた構造へと発展してきました。しかし、中にはいまだ柔軟性に欠ける上、極端に複雑なアーキテクチャが残っているものも見られます。デジタルバンキング時代の課題に直面している大手銀行は、システム刷新について再考を迫られています」とレポートを共同執筆したスティーヴン・グリーア は指摘しています。