オンライン証券市場のトレンドと発展
Abstract
(このレポートは2009年2月6日に"Online Brokerages: Trends and Developments"というタイトルで英文で発表されましたが、日本語版が2009年6月26日に発行されました。)
オンライン証券業界は市場環境に適応し続けています。市況の低迷や投資顧問会社の減少を背景に投資家はセルフサービス・チャネルへの移行を進めており、オンライン証券はこれを将来の成長につなげる好機と捉えています。
セレントの最新レポート「オンライン証券市場のトレンドと発展」は、2005年以降のオンライン証券業界の発展状況を顧客基盤、商品、収益モデルの観点から検証しています。市場では新規参入した独立系証券会社が顧客を獲得するケースが相次ぐ一方、総合証券会社と提携して投資アドバイザー主導のビジネスモデルを展開している証券会社や銀行はオンライン顧客が求める機能を提供できずに不利な立場に立たされています。
ソーシャル・ネットワーキングの普及に伴い、オンラインプラットフォームには多くの新機能が組み入れられるようになっています。また、2008年に市況が大幅に悪化したことを受けて自らの判断で投資を行う投資家が増えたことも、オンライン証券にとって今後の成長に向けた追い風となっています。このことは、今後数年間でオンライン証券の成長がより加速することを示す兆しともいえるでしょう。
「現在、オンライン証券の収益源はさらに多様化しています。オプション取引の増加に加えアクティブトレーダーの争奪戦が活発化したことで、オンライン証券業界は現在活況を呈しており、顧客にとっても以前より利用しやすい存在となっています」と述べるのはセレントのウェルスマネジメント・プラクティスのシニアバイスプレジデントでレポートを共同執筆したロバート・J・エリスです。
本レポートでは、まずオンライン証券市場の規模と範囲について説明しています。次にオンライン証券の利用者数、預かり資産、取引頻度などに基づき市場の現状を明らかにしています。また、顧客セグメントや証券会社のタイプ別に商品のトレンドを分析しています。
レポートではLightspeed、TradeStation、thinkorswim、optionsXpress、Interactive Brokers、Trade King、Schwab、E*Trade、TD Ameritradeをはじめ、独立系オンライン証券や資産運用会社を含む多数のオンライン証券会社について詳しく分析しています。これらの詳細を比較し、オンライン証券のビジネスモデルを投資アドバイザー主導型と総合証券型の2つに分類しています。
この分野の第2弾レポートとして発行予定の「オンライン証券の顧客経験とテクノロジー」では、証券会社と顧客をつなぐオンライン・インターフェースの役割の変化について取り上げます。
本レポートは11図と25表を含む全78ページで構成されています。