2018/04/22
モデルバンク2018から見える、銀行業界のイノベーションの現状とは?
Key research questions
- 2018年モデルバンク・アワード・プログラムの概要は?
- モデルバンク2018応募案件で多かったテーマは?
- モデルバンク2018受賞企業は? その受賞理由は?
Abstract
2018年セレント・モデルバンク・アワードは、過去最多170件以上の応募案件が競うこととなった。いずれも優れた応募案件ばかりであり、分析すると、銀行業界で起きているイノベーションの現状がよく見えてくる。以下に、応募案件で多かったテーマおよびモデルバンク2018の受賞企業を振り返る。
昨年セレントが始めたのは、優れた取り組みを行った企業それぞれに対して個別のアワードを設けて授与する、という表彰手法だった。今年もこの方式を継続したが、応募案件の多様性・数・質を考慮して、アワードの数を21件から25件に増やした。一部のアワードは昨年と同様であったが、その他のアワードについては銀行業界での重要性を反映して少し変更した。もちろん、2012年以来の伝統であり、全応募案件の中でも特に優れた企業を表彰するモデルバンク・オブ・ザ・イヤーは今年も継続された。
各アワードを応募カテゴリーにマッピングすると、以下の図のような形で収まる。このことから分かるのは、応募カテゴリーの枠組みを用いれば、全応募案件に共通のテーマや、受賞プロジェクトを適切に考察できる、ということだ。ただし、決済関連プロジェクトの数は多いので、このトピックは別途考察する。
銀行にとって最も優先順位の高いことは、優れたカスタマーエクスペリエンスの提供である。AIとAPIは銀行のホットトピックだ。口座開設およびオンボーディングに関する応募案件も史上最多であった。