欧州保険セクターにおけるビジネスプロセス・ アウトソーシング
2008/12/30
キャサリン・スタッグ・マーシー
Abstract
欧州諸国の間にはビジネスプロセス・アウトソーシング(BPO)に対するアプローチの違いが 根強く、英国では広範囲にわたる業務がアウトソーシングの対象になっているのに対し、欧州大陸ではBPOの普及は進んでいません。大陸諸国にはBPOに対して消極的なカルチャーが強く残っているものの、経済危機を受けて今後の動向が注目されます。
セレントがBPO契約の詳しい分析やプロバイダーへの取材をもとにまとめた最新レポート「欧州保険セクターにおけるビジネスプロセス・アウトソーシング」は、BPO市場の最新動向と現在のトレンドを明らかにしています。
セレントは欧州におけるコア保険業務のBPO市場規模は2008年に25億米ドルに達し、5年後の2013年には35億米ドルに拡大するとみています。これは比較的緩やかな成長ペースで、欧州地域の景気後退の影響いかんではさらに成長が減速する可能性もあります。
「英国では保険会社が率先してBPOを導入していますが、欧州大陸では保険のコアサービスにおけるBPOの導入はあまり進んでいません。特に大陸諸国では保険のコア業務を外部業者に委託することにはリスクが伴うと考えられており、雇用保護に対する関心が再び高まりつつ現状を踏まえるとBPOの導入に踏み切るのは難しいでしょう。既にBPO契約を結んでいる保険会社は、さらに有利な条件による契約更新を目指すとみられます。BPO契約を結んでいない保険会社は、景気の不透明感を受けてアウトソーシングをめぐるリスクへの懸念を一段と高めています」とセレント保険プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したキャサリン・スタッグ・マーシーは指摘しています。
本レポートは19図を含む30ページで構成されています。