2009年セレントモデルバンク:銀行のテクノロジー有効利用に関するケーススタディ
Abstract
セレントの「モデルバンク」レポートは、18の銀行が進めているテクノロジープロジェクトを「モデルバンクのコンポーネント」として紹介しています。
モデルバンク調査の目的は、「銀行が全ての業務を最新のテクノロジーで最適化した場合、どうなるか」という一見単純な疑問に対する答えを示すことにありました。もちろん、これはそれほど単純な質問ではありません。「全て」や「最適化」という言葉は銀行の規模、業務および商品ラインの複雑さ、既存のテクノロジー基盤などによって意味が大きく異なるからです。
「我々のアプローチは、『モデルバンク』が採用すると思われるテクノロジーの利用方法に関するベストプラクティスを示すことを目的にしていました」とセレント銀行プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したジェイコブ・イエーガーは述べています。レポートで取り上げた実例は、インフラおよびアーキテクチャから商品の開発、マーケティング/販売、販売チャネルの管理、取引処理、融資手続、顧客サービス/サポート、セキュリティおよびリスク管理、ヘルスケアバンキングに至る幅広い範囲に及んでいます。
「もちろん、モデルバンクは1つに限定される訳ではありません。どの銀行もテクノロジーに関しては成功と失敗を経験しています。そのため、我々はテクノロジーを有効利用している銀行の実例をできる限り多く集めました。レポートでは、理論上のモデルバンクが採用するITシステムの実践手法を構成する要素として、これらのケーススタディを紹介しています」とアナリストで共同執筆者のラジェシュ M Rは述べています。
モデルバンクの構成要素となる18行のケーススタディのほぼ全てについて、ビジネスドライバー、テクノロジー環境、定量的な成功指数に関する簡単な説明を掲載しました。レポートで取り上げたプロジェクトは以下の通りです。
- Byron Bank: オンラインの財務管理ツール
- シティ: 企業向けオンラインバンキング・プラットフォーム
- シティ:SWIFT接続ソリューション
- First Community Bank:バーチャル化されたアプリケーションのデリバリーモデル
- First Horizon Msaver: 事業主向け資金調達ポータル
- First Interstate Bank: クレジットカードのロイヤルティプログラム
- First National Bank, South Africa: モバイルバンキング
- First National Bank of Omaha: 文書イメージングおよびLockboxソリューション
- ICICI Bank: 融資処理システム
- Indian Bank: 勘定系システムの近代化
- JPモルガン・チェース:HSA顧客向け計算ツール
- JPモルガン・チェース:ヘルスケア関連顧客向けレポートおよび資金調達ポータル
- National City Corporation:独自のユーティリティ・コンピューティング・モデル
- PNC Financial Services:資金管理ツール
- RHB Bank Berhad, Malaysia:財務管理システム
- Southern Community Bank and Trust:オンラインバンキングの顧客経験
- Western Union:モバイル送金
- Zions Bank:オンライン口座開設
各モデルバンクは、セレントの主催により2009年6月3日にニューヨークのWestin Times Squareで開催される「Innovation and Insight Day」で表彰されます。
セレントは、次回2010年のレポート発行に向けて今後も実例を収集していく予定です。2010年レポートのモデルバンク候補はwww.celentmodelbank.comにて募集中です。
本レポートは42ページで構成されています。