2012年 生命保険/年金契約管理システムの導入動向:欧州・中東・アフリカ版
Abstract
欧州・中東・アフリカの保険業界にはいまだ金融危機の影響が残り、欧州の規制強化への対応も迫られることから、2014年にかけて保険契約管理システムの新規成約件数はほぼ横ばいで推移すると予想されます。ただ、積極的な新規契約の獲得と市場参入を目指すベンダーにとって、一部には有望な成長分野も存在しています。
欧州では2009年以降、生命保険および年金の契約管理システムの新規成約件数が減少傾向にあり、セレントが2009年版のABCDベンダーレポートを発行した時点から19%も減少しています。保険会社は金融危機が業務に及ぼす影響を考慮し、新規投資の削減や先送りを決定する一方、規制強化への対応を最優先しています。
セレントの最新レポート「2012年 生命保険/年金契約管理システムの導入動向:欧州・中東・アフリカ版」は、保険契約管理システムベンダー34社のデータに基づき、欧州・中東・アフリカにおける同システムの新規成約動向を分析し、2016年にかけての導入の動きを予測しています。
「保険契約管理システムを手がけるベンダーは極めて多く、これらの地域では約60のソリューションが販売されています。導入顧客数に基づく市場シェアは平均2.7%と低く、国別の顧客数も平均2.9にとどまっています。シェアおよび顧客数が平均を下回っているベンダーにとって、同地域の厳しい事業環境下で生き残るのは難しいでしょう」と、セレント保険グループのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるニコラス・ミシェロッドは述べています。
「ビジネス機会が減る中で今後競争は激化するとみられ、市場の再編が進むでしょう。しかし、新興市場にはなお開拓の余地があり、市場の大規模な構造改革も進んでいます。ベンダーが生き残るためには積極的に現地を訪問し、コスト管理を徹底させ、十分な研究開発を行って長期にわたり有効な製品を投入し続けることが求められます」とレポートを共同執筆したシニアアナリストのジェイミー・マクレガ―は述べています。
レポートでは、これらの地域の市場規模、顧客の導入状況、ベンダーの市場ポジションを明らかにし、2016年にかけての市場動向を予測しています。
本レポートで引用した市場トレンドやデータは、セレントが保険業界の関係者を対象に継続的に行っている取材や、2009年と2011年に当該地域の保険契約管理システムベンダー評価レポート(ABCDベンダービュー)を発行する際にベンダーから提出を受けたRFIに基づくものです。