北米金融機関におけるモバイルアプリケーションの最新動向:キャピタルマーケットとウェルスマネジメント
An Overview of Mobile Apps
Abstract
スマートフォンやタブレットは、相変わらずビジネスやテクノロジーに関する話題の中心にあります。スマートモバイルデバイスの市場は、今後も二桁成長が続くでしょう。金融機関にとっても、新たな電子チャネルを通じて既存顧客や潜在顧客を取り込むチャンスが生まれています。
セレントの最新レポート「北米金融機関におけるモバイルアプリケーションの最新動向:キャピタルマーケットとウェルスマネジメント」は、ウェルスマネジメントおよびキャピタルマーケット業務を手がける金融機関が顧客向けモバイルアプリケーションを開発するにあたって直面する課題のいくつかを取り上げています。セレントは、2012年のスマートフォンの販売台数は6億2,000万台を超えると予想しています。また業界では、タブレット端末の販売台数は1億台以上に達するとの見方が一般的です。
金融関連アプリケーションのニーズを牽引する要因は複数挙げられますが、本レポートではキャピタルマーケットとウェルスマネジメント分野のニーズを牽引する要因について検証しています。また、スマートフォンやタブレットの成長トレンドとオペレーティングシステムのトレンドを分析し、これらがアプリケーション開発にどのような影響を及ぼしているかを明らかにしています。
キャピタルマーケットおよびウェルスマネジメントのモバイルアプリケーションに対するニーズを牽引する要因 | |
促進要因 |
セレントの見解 |
ユーザーはモバイルデバイスの用途の多様化を望んでいる |
ユーザーはより多くの用途を求めてスマートフォンやタブレットの機種変更を行う |
顧客は、投資商品や市場情報をいつでもどこでも入手したい |
スマートデバイスは、ニュースや市場情報への継続的なアクセスを提供する |
キャピタルマーケットへの投資家にとって、アクセスを常時確保することが今まで以上に必要となっている |
プロの投資家は、勤務時間外も市場へのアクセスを確保して、外国市場の動きをモニターし、適切に対応する必要がある |
アドバイザーは、顧客サービスのサポートツールとしてのモバイルデバイス、中でもタブレットを求めている |
アドバイザーもアクセスの拡大を必要としており、顧客(潜在顧客を含む)との面会時にモバイルデバイスを活用したい |
金融機関は新アプリケーションの投入と既存製品のアップグレードを続けている |
新アプリケーションとアップグレードは既存ユーザーの維持に加え、アプリケーションやスマートデバイスの新規ユーザーの取り込みにつながる |
「スマートフォンやタブレットのユーザーは今後も増え続け、これらのデバイスへの依存度はますます高まるでしょう」と、セレントのシニアアナリストでレポートを執筆したビル・ファーンレイ・Jr.は述べています。
「個人投資家は手持ちのデバイスで投資商品の情報にアクセスすることを望んでおり、大手ウェルスマネジャーの中には、顧客がいつでもどこでも投資商品にアクセスできるアプリケーションを導入したところもあります。プロの投資家のアナリストリサーチへの要求に応えるため、アナリスト、トレーダー、ポートフォリオマネジャーなどにアクセスできるアプリケーションを提供する大手金融機関もあります」とファーンレイは付け加えています。
レポートでは、顧客向けアプリケーションの導入を検討している金融機関が採用可能なテクノロジーの選択肢を取り上げ、これらに向けた提言も示しています。