2011年アンチマネーロンダリングの最新動向
Abstract
(このレポートは2011年7月18日に"Trends in Anti-Money Laundering 2011"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2011年10月20日に発行しました。)
アンチマネーロンダリングをめぐるコンプライアンス関連費用は、業務費用やシステム投資を含め、2013年には世界全体で58億ドルに達するとみられます。このうち、自社または外部委託によるシステム開発費用は14億ドルと推計されます。
セレントの最新レポート「2011年アンチマネーロンダリングの最新動向」は、世界の75を超える金融機関のコンプライアンス部門を対象にアンチマネーロンダリングについて独自に調査した結果をまとめています。レポートでは各金融機関のアンチマネーロンダリング関連業務とそのコストを比較し、対応するシステムのトレンドを分析しています。具体的には、関連ソフトウェアに対する世界投資額の予測、ベンダーの再編、この分野の進化や製品の強化などを取り上げています。また、縦割り状態にある業務組織・システムの統合、マネーロンダリング防止と詐欺防止の一体化など、全社規模のコンプライアンス実現に向けた新たな動きにも注目しています。
「マネーロンダリング防止と詐欺防止の一体化は魅力的に思われますが、金融機関にとってはビジネスケースを策定しにくいテーマといえるでしょう。幸いにも、コンプライアンス主導による最新のマネーロンダリング防止ソフトウェアの開発、分析、ケースマネジメントなどにより、従来の詐欺防止システムが改良された、新世代のシステムが登場しています」と、セレント・アジア地域のシニアバイスプレジデントでレポートを執筆したニール・カタコフは述べています。
本レポートは、マネーロンダリング防止システム市場の現状をテーマにした4回シリーズの第1弾です。シリーズでは、今後以下のような内容を予定しています。
- 「2011年 全社規模のコンプライアンスシステムのベンダー評価:アンチマネーロンダリング/詐欺防止ソリューション」は、両分野に対応可能なエンド・ツー・エンド・システムを手掛ける20以上のプロバイダーを取り上げ、セレントの独自ツール「ABCDベンダービュー」に基づいてこれらを評価します。
- 「監視リストおよび制裁関連ソリューションのベンダー評価」は、米財務省外国資産管理局(OFAC)/制裁監視リストに対応可能なソリューション(バッチ処理システムとリアルタイムシステムの両方)のプロバイダーを取り上げ、「ABCDベンダービュー」に基づき評価します。
- 「アンチマネーロンダリングシステムの専門プロバイダー」はこの分野の最新テクノロジーをめぐる課題の概要を示し、様々な専門ベンダーの特徴を紹介します。ベンダーによって手掛ける分野が異なるため、「ABCDベンダービュー」による評価は行いません。