保険会社がバンカシュアランスを検討すべき理由:保険ビジネスにおける銀行の重要性の高まり
The Growing Importance of Banks in Insurance
Abstract
急速に変化する外圧により、銀行および保険会社のエコシステムの再形成が進んでいます。収益拡大とコスト削減による財務改善を求める圧力が続く中、金融機関が長期的な成功を確保するためには新たなビジネスモデルや理念に対応していかなければなりません。こうした状況において、バンカシュアランスは有効な解決策になり得るでしょう。
金融機関は複雑なエコシステムの中で業務を行っており、バンカシュアランスで成功する戦略を策定するためにはこうした外部の力の存在を理解する必要があります。今回のレポートではバンカシュアランスを成功させる方法を示すとともに、銀行がより高度な顧客経験を求める消費者に対応可能な体制を備えている理由を説明しています。レポートでは一部にグローバルなテーマや分析も取り上げていますが、基本的に中南米市場におけるバンカシュアランスに焦点を当てています。
消費者がより多くの情報に基づいて商品・サービスを比較できるようになった結果、保険市場の競争は激しさを増し、消費者に有利な状況になりつつあります。こうした変化の中にあって、銀行は個人向け保険商品の販売チャネルとして理想的な存在であり、ターゲットさえ外さなければ、富裕層顧客とその事業に特化するチャネルとして成功するでしょう。
ユーザー経験やデジタル機能を重視した新たな販売チャネルが登場し、コモディティ化された商品の販売で競争上の優位に立っています。業界全体の再形成が進むなか、銀行以外にこれらの新興プレーヤーに真っ向から対抗できるチャネルはないといえるでしょう。
「バンカシュアランスモデルを成功させることは可能です。パートナーを組むプレーヤーは互いの企業カルチャーの違いを理解し、保険と銀行の中核業務を適切な方法で統合することが求められます。バンカシュアランスを銀行の増益および顧客サービスの向上に向けた戦略の一環と捉え、それに基づいて明確なセグメント化と的を絞った商品マーケティングを行うことが重要です」とセレント保険グループのシニアアナリストでレポートを執筆したホアン・マツィーニは述べています。