COVID-19の保険会社への影響: 三つのシナリオ
Abstract
本レポート配信時点において、世界は新コロナウィルスが引き起こす人から人に感染が広まる呼吸器疾患のパンデミックへの対応に追われている。その疾患は”coronavirus disease 2019” (短縮形COVID-19) と命名された。COVID-19は世界中で急速に広まっており、深刻な健康上のリスクおよび経済危機をもたらしている。
米国を含む多くの国が、外出禁止令やソーシャル・ディスタンシングを含む感染予防対策を取っている。多くの企業は従業員に在宅勤務を要請しており、米国では7千万人以上が、病院での受診、食料品の買い物、薬局に薬をもらいに行く等の必要不可欠な目的での外出を除き、家で過ごすよう命じられている(2020年3月23日時点)。それにより、多くの小規模事業者の廃業や失業者の増加が生じている。
ワクチンが開発されていない新しい疾患であり、COVID-19の今後の影響について語るのは難しい。感染率や死亡率、ワクチンがいつ入手可能かもわかっていない。しかし感染率は高く、(イタリアで見られたような) 特定の状況においては死亡率も高い。世界的に感染件数が増加する中、小規模事業者の廃業、失業者の増加、保険業界への影響は膨大なものとなる可能性がある。現在、保険会社はCOVID-19にどのように対応しているか?そして、将来の状況を誰も予測できない中で、保険会社が将来に備えて考慮すべきこととは?
本レポートでは、COVID-19の保険業界への影響の三つのシナリオを示している。我々は、すべての可能性が説明されているわけではなく、すべての保険会社にとってあり得るすべての結果が検討されているわけでもないということを認めざるを得ない。しかし我々は、伝染病学者でも、プロフェッショナルな危機管理責任者でもないが、これらのシナリオを示すことにより、保険会社の独自のシナリオ立案を活性化することを願っている。
(詳しい情報は、セレント北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください)