ビジネス・オリエンテッド・アーキテクチャ(BOA):再び注目されるSOA
Abstract
サービス・オリエンテッド・アーキテクチャ(SOA)は、企業に業務管理を再強化するためのツールを提供します。SOAは複雑な統合を可能にするITソリューションです。一方、ビジネス・オリエンテッド・アーキテクチャ(BOA)は企業がITおよびSOAを活用するためのビジネスモデルやプロセスを策定できるようにするプロセスで、ビジネス価値の向上をもたらします。
ここ数年でSOAは成熟しつつあり、企業内に分散しているITソリューションを統合する際に複雑でコストのかかる障害が生じるというIT上の難題を解決できるようになっています。SOAを導入することで、保険会社は類似したビジネス機能の再利用や標準に基づくインターフェースの構築が可能になります。そしてより成熟した組織の場合、SOAによる管理を行うことで、保守管理費の低減とプロジェクトの期間短縮というITの持つメリットを最大化することもできます。ただし、SOAはIT上の問題解決には有効ですが、ビジネスプロセスの問題を解決することはできません。SOAをフルに活用しても、最も効率的で有効なビジネスプロセスを構築できるとは限りません。従って、特に顧客主導型ビジネスが重視される今こそ、企業はBOAによるプロセス構築に取り組むべきでしょう。BOAの導入はSOAの促進にもつながり、ビジネス価値とIT上のメリットを最大化します。
セレントの最新レポート「ビジネス・オリエンテッド・アーキテクチャ(BOA):再び注目されるSOA」は、ビジネス主導でシステムの定義や推進を行うアプローチ(ビジネス・オリエンテッド・アーキテクチャ)について解説しています。BOAは次の3つの理念に基づいています。
• 実装の独立性
• ロケーションの独立性
• 契約
BOAを導入することで、企業はシステムの実装から独立してビジネスモデルやプロセスを構築することができ、プログラム言語やロケーションにしばられることがなくなります。また、必要なビジネスプロセスおよびサービスに関する契約を結ぶことで、説明責任の再強化にもつながります。その上で、こうしたビジネスモデルに対応可能なソリューションを構築し、契約のモニタリングおよび報告機能を備えた計測ソリューションを実装します。
「ここ10年でSOAはかなり成熟しましたが、もともとシステムに由来するものであるため、ビジネスプロセスの効率性や有効性の向上を実現するには至っていません。しかし、保険会社はSOAを足がかりに、ビジネスプロセスの管理および説明責任を再強化し、ITの活用を促進することが可能になります。これこそがITの理想といえるでしょう」とセレント保険グループのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるベンジャミン・モアランドは述べています。
本レポートはBOAについて説明し、その導入方法についても提言しています。