サイバーリスクがもたらすビジネスチャンス:保険会社の逆襲
2021/09/18
Abstract
サイバー攻撃に関するリスクは、保険会社にとって課題であると同時にチャンスでもある。本レポートは、2020年12月に始まったサイバー脅威に関するシリーズの第3弾である。第1回目のレポート「サイバー脅威と保険会社:表裏一体の二つの側面」では、サイバー脅威のトピックを紹介し、サイバーリスクがもたらす課題(サイバー攻撃に対する社内の業務保護およびサイバーリスクが保険会社にもたらす機会を含む)についての見解を示した。2つ目のレポート「保険会社のサイバー脅威との闘い: 長期戦に備える」では、保険会社が最近経験したサイバー攻撃や、社内業務を保護するためのCIOの計画について考察した。
サイバーセキュリティのリスクマネジメントは、膨大な数のテクノロジーとサービスで構成されている。サイバー保険を提供する保険会社は、保険を引き受けた後、商品を管理しなければならない。また、保険を補完するためのサービスを提供したり、そのようなサービスを第三者が提供する場合もある。企業は、これらの追加サービスやテクノロジーの購入を選択することができるが、いずれにせよ、サイバー保険をエコシステムの観点から考える必要がある。
本レポートでは、サイバー脅威が保険会社にもたらす新たな機会について、より深く掘り下げて考察している。まず、サイバーイベントとサイバー保険の定義を説明した後、サイバー保険商品に対する顧客の認識について詳しく説明している。また、サイバー保険市場の最近の動向と、その主な要因を明らかにしている。最後に、サイバー保険のテクノロジー・エコシステムを構築する際に、保険会社が注意すべきテクノロジー要素やプレイヤーについての俯瞰的見解を示している。