分散型キャプチャーの導入状況: リテールチャネルにおける小切手画像処理
Abstract
ブランチにおけるキャプチャーは急速な勢いで普及しつつありますが、画像処理対応型ATMの普及にはまだかなりの時間を要すると思われます。
Check 21 Actの施行は画像による小切手処理を推進するための起爆剤になったばかりでなく、預金方法に根本的な変革をもたらし、従来の革新技術とは全く異なるかたちで業界の競合状況を一変させる可能性があります。分散型キャプチャーの普及の舞台となっているのは、窓口以外での入金、ATMなどだけではありません。Check 21 Act施行後の2年間で、ブランチおよび窓口における画像キャプチャーの普及は急速に進んでいます。最新レポート「分散型キャプチャーの導入状況:リテールチャネルにおける小切手画像処理」は、以下のような市場動向を明らかにしています。
- ブランチや窓口などのキャプチャー拠点の数は、2004年の1万9,000ヵ所から2006年には10万3,000ヵ所に増加しました。2012年までには米国金融機関の90%以上に普及すると予想され、キャプチャー拠点の数はさらに160%増えて27万2,000ヵ所に達するでしょう。
- 2007年3月現在、2,600を超える金融機関がブランチキャプチャーを導入済み(または導入中)で、スキャナーの設置数は14万1,000台程度に上っています。ベンダー各社の動きを総合すると、今年中にこのソリューションを導入する金融機関は3,300以上になると予想されます。
- 全米トップ10銀行のうち5行は、小切手を封筒に入れ投入する方式の従来のATMを画像処理対応型ATMに入れ替えるためのプロジェクトを既に立ち上げています。
- 分散型キャプチャーは、リテールバンキング全体の主流へと発展し、リテールブランチとATMの両チャネルで注目される存在となっています。
「多くの金融機関では、ブランチキャプチャーを導入するかどうかではなく、いつ導入するかを目下検討中です。昨年1年間だけでも、1,000近くの金融機関が既に導入を決定しました。」とセレント銀行プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したボブ・ミーラは述べています。
一方、画像処理対応型ATMの導入については、かなり慎重であると思われます。ATMチャネルへの画像キャプチャー導入は、大部分の金融機関にとって、画像キャプチャーへの移行プロジェクトの中で、最も優先度が低いでしょう。画像処理対応型ATMの導入を重要視している銀行においても、ATMチャネルにおける顧客経験の向上を念頭に置いているところはそう多くはありません。「銀行が画像処理対応型ATMの導入と同時に、計画的にお客様向け利用推進プロジェクトを推進することができれば、ATM1台当たりの取引件数が増加し、全取引中で窓口、ATM取引それぞれの占める割合が変化するでしょう。」とミーラは述べています。
本レポートは11図と8表を含む全33ページで構成されています。