中国の金融業界におけるインターネットのインパクト
2014/02/24
フア・ジャン
Abstract
中国の銀行のいくつかは、自分たちの最大の競合相手は伝統的な金融機関ではなく、テンセントやアリババといった新興インターネット企業であると考えています。規制緩和が進めば、これらの企業は市場制覇を狙って相次いで参入し、伝統的な金融機関に不可逆的かつ破壊的な影響を及ぼすことになるでしょう。
伝統的な銀行の中核業務は決済、預金および融資ですが、インターネット企業が市場シェアを拡大するにつれ、この分野に変化が予想されます。モバイルおよびインターネット決済を含む決済業務は、真っ先にインターネット企業による影響を受ける分野でしょう。セレントの最新レポート「中国の金融業界におけるインターネットのインパクト」は、インターネットが中国銀行業界にもたらす影響、環境の変化に対応するインターネット企業および銀行の戦略を明らかにしています。
「中国における将来の銀行モデルとして、ゼロディスタンス・バンキング、スマート・バンキング、ユニバーサル・バンキングなどが挙げられます。既にインターネット企業は、いくつかの点において伝統的な競合相手より優れた顧客経験やサービスを提供しています」と、セレントアジア金融サービスグループのアナリストでレポートを執筆したフア・ジャンは述べています。
レポートでは、インターネットが中国の銀行業界に及ぼす影響、具体的には、インターネット企業と銀行の双方が策定する決済、ビッグデータおよびソーシャルメディア戦略への影響などに焦点を当てています。