効率性に勝るクレジットユニオン:銀行とクレジットユニオンの効率性比率を比較
Abstract
クレジットユニオンと同水準の資産規模を持つ銀行の過去6年間の効率性比率をセレント独自の算出方法で比較したところ、クレジットユニオンは同規模の銀行より効率性で勝っていることがわかりました。2004、2006、2008および2010年の効率性比率をみると、両者の相対的な効率性には大きな差がみられます。
セレントの最新レポート「効率性に勝るクレジットユニオン:銀行とクレジットユニオンの効率性比率を比較」では、クレジットユニオンと銀行の資産規模を同じ基準で算出し直し、同程度の資産規模の両者を比較しています。セレントは連邦預金保険公社(FDIC)の報告書から銀行の効率性比率を入手し、FDICの基準に従って信用組合の効率性比率を算出しました。具体的には、非利息経費から無形資産の償却費用を引いた数値が、正味受取利息と非利息収入の合計金額に占める比率を計算しました。
銀行として存続可能な資産規模は最低1~3億ドルとされ、必要最低額は信用組合の半分程度となっています。この差は、両者の手がける商品ライン、中心顧客層、商業銀行業務、リソース・シェアリング、IT投資などの違いによると考えられます。こうした相対的な効率性の差は、今後もすぐには埋まらないでしょう。
「クレジットユニオンは商業貸付を行っていませんが、これはバンキングの中でも『非効率な』業務に挙げられます。また、クレジットユニオンはサービスセンターを共有しているため、これにより規模の利益と効率性が生み出されています」と、セレント銀行グループのシニアバイスプレジデントでレポートを執筆したバート・ナーターは述べています。
レポートでは、同様の資産規模を持つクレジットユニオンと銀行の2004年以降の効率性比率を比較しています。また、両者の商品ライン、商業銀行業務、中心顧客層、リアルタイム機能、リソース、支店のシステムの特徴を分析しています。