Abstract
セレント・モデルバンク・オブ・ザ・イヤー:バンク・オブ・アメリカ
セレントは、2018年セレント・モデルバンク・オブ・ザ・イヤーとしてバンク・オブ・アメリカを表彰した。これは、縦割り組織の枠を取り払い、あらゆるリソースを使って顧客中心のサービス実現する同行の取組みを評価した結果である。同行は、6つのプロジェクトを通じ、この課題に取り組んだ。
世界的に、銀行はビジネスモデルの本質的な部分で課題に直面している。顧客の声が影響力を強めていることに加え、新規参入者が提供する新たなソリューションは既存の銀行サービスよりもスピーディーかつ低コストで、さらに優れたものである。また、大手銀行に対して「大きすぎて管理できない」と疑問を投げかける声も聞かれる。バンク・オブ・アメリカはこうした問題に正面から向き合い、社内のリソースを大規模に動員して積極的、戦略的かつ複数部署と協調して問題解決に取り組んでいる。デジタル化や顧客中心の経営モデルに向けて進化する同行の事例は、全ての銀行にとって参考となるだろう。
米国の4大リテール銀行の1つであるバンク・オブ・アメリカは、巨大な組織がテクノロジーを活用した新商品・サービスの開発を阻む決定的な障害にはならないことを実証した。デジタル商品の強化に振り向けられるリソースが多いという点で、規模の大きさはむしろメリットになり得る。
同行の6つのプロジェクトは、組織の枠を超えたイノベーションの典型的な事例である。目を引くようなものではないかもしれないが、なお注目に値する具体的なプロジェクトは、①AI搭載「金融アシスタント」の「Erica」(チャットボットに相当)、②モバイルウォレットへのオプション機能の追加、③グローバルな支払い手続きのデジタル化、④開発者向けAPIゲートウェイの実装、⑤消費者本位の自動購入サポートプログラム、⑥支払管理の高度なバーチャルソリューション。
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