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グローバルサンクション:遵守における課題と対応策

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2011/09/07

Abstract


セレントはDow Jones Risk & Complianceの協力を得て、大手金融機関における「ウォッチリスト・フィルタリング」(顧客および取引のスクリーニングプロセス)の管理をめぐる課題とベストプラクティスに関する調査を行いました。

セレントの最新レポート「グローバルサンクション:遵守における課題と対応策」は、主なグローバル銀行が複雑かつ多様な業務の枠を超えて効率性と整合性を実現するための課題を検証しています。特に、ウォッチリストのデータが最も重要となるマネーロンダリング防止(AML)に関する制裁措置の遵守に焦点を当てています。

データへの依存度が高いため、法令遵守を効果的に実践するためには、適切な管理の下で最適化された明確なウォッチリスト・データが不可欠です。しかし、業界では周知のとおり、ウォッチリスト・データの質、複雑さ、およびその管理に関しては様々な問題が山積しています。


本レポートは、制裁措置の遵守状況に関するセレント独自の調査に加え、北米、欧州およびアジアの大手銀行15行への取材をもとにまとめられたものです。その主な内容は以下の通りです。

  • 制裁措置を遵守するために必要なコストは上昇している。米国、EU、英国など活発な動きをみせる規制当局は、銀行に対してテクノロジー・業務の最新動向への対応を求めており、年間百万ドル単位の追加投資が必要になっている。
  • 大手銀行はコスト抑制と効率性向上を実現するため、業務およびテクノロジープラットフォームを一元化し、業務部門を超えて制裁措置に準拠するための体制を構築している。
  • 自行のウォッチリスト管理体制に問題はないとみる銀行がある一方、多額のコスト、膨大な作業、専門的ノウハウなどを負担に感じている銀行もある。

「グローバルな制裁措置を一貫して遵守するためには、業務やシステムに加え、制裁措置に関するフィルタリングの役目を担うコンプライアンスデータ(ウォッチリスト)を標準化することが重要です。世界的な規模で迫る、規制強化の動きにいかに後れを取らないようにするか、が課題となっています」と、セレントアジアのシニアバイスプレジデントでレポートを執筆したニール・カタコフは述べています。

レポートではまた、「アラブの春」と呼ばれる民主化の動きが規制当局の制裁措置に及ぼす影響や、アルファベット以外の文字(アラビア文字、キリル文字、中国語、日本語など)を使う国に特有なウォッチリストや制裁措置遵守をめぐる課題についても考察しています。