中国のクレジットカードシステム:テクノロジーとベンダーの概要
Abstract
中国ではクレジットカード市場が急発展を遂げており、カードの所有者数は3000万を超えました。過去3年間の年平均成長率は54%に達し、今後4年間も30%を維持すると予想されます。
セレントの最新レポート「中国のクレジットカードシステム:テクノロジーとベンダーの概要」では、 中国のクレジットカード業界の成長について考察しました。中国においては、北京や上海などの大都市ではカード浸透率が60%に達しているものの、2級や3級の都市は多くが未開拓です。一方で、カード発行枚数が伸びるにつれ、利用上のリスクも増大しています。
2008年末の時点でクレジットカード発行枚数が特に多かったのは、中国工商銀行(Industrial and Commercial Bank of China)、中国招商銀行(China Merchants Bank)、中国建設銀行(China Construction Bank)、中国銀行(Bank of China)、交通銀行(Bank of Communications)でした。今後4年間には、約8行のクレジットカード発行枚数が各行1000万枚、約30行の発行枚数が各行100万枚を超えると予想されます。これはつまり、業務規模の拡大をサポートするためにシステムを更新する必要のある銀行が増加するということを意味します。
中国では、大手行はクレジットカードシステムを自行で開発するのが一般的であるのに対し、中小行はアウトソースを選択する場合がほとんどです。中国のクレジットカード市場に中小行や外銀が参入しはじめたのは比較的最近であるため、現在アウトソース方式を採用している銀行は全体の3分の1に過ぎません。しかし、今後はクレジットカードシステム運用のアウトソースが増えていくものと思われます。
「中国では、現行のクレジットシステムが基本的に外資によって運用されており、銀行が外資系のクレジットカードシステムを受け入れやすい状況にあります。収益性が向上し、新しいテクノロジーが発達するにつれ、より顧客中心のビジネス方針を実行するために、クレジットカードシステムをCRMやネットワークシステムとリンクさせる必要が生じてくるでしょう」とセレント・アジアリサーチグループのアナリストで本レポートの執筆者である フア・ジャン は述べています。
本レポートは2図と7表を含む28ページで構成されています。