損害保険会社向けビジネスプロセスアウトソーシング(BPO) サービスのベンダー:グローバル編
2024年 損害保険会社向けアウトソーシングサービスを提供するベンダーについてのVendorMatchを活用した分析・評価
Abstract
セレントは2011年以降、BPOベンダーの分析と評価を行ってきた。本レポートでは、世界の損害保険業界向けにビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスまたはサードパーティ・アドミニストレーション(TPA)サービスを提供するグローバルベンダー19社を取り上げる。本レポートは、損害保険会社向けのBPO/TPAサービスを提供するベンダー全てを網羅するものではないが、生命保険会社が利用可能なベンダー、BPOおよびTPAサービス機能を幅広く横断的に捉えている。
損害保険会社がインフレの影響、地政学的な不確実性、気候変動といった問題に取り組むなか、顧客が独自のニーズやライフスタイルに合うパーソナライズ化された柔軟な補償の選択肢や相互関係を求める傾向は強まっている。こうした状況や経済的な圧力に対応するため、保険各社は業務およびテクノロジー戦略を通じた効率性向上、商品化までの期間の短縮、革新的ビジネスモデルの探求を目指している。
BPOの導入は、保険会社にコスト削減、業務課題の解決、新たな成長機会の獲得、タレントプールへのアクセスを実現する機会をもたらす。当初、BPOの導入対象はバックオフィスに集中していたが、コロナ禍を機に対顧客取引、顧客データのマイニング、不正管理業務でもアウトソーシングの必要性が強調されるようになった。
テクノロジーの進歩とアウトソーシングプロバイダーが提供する幅広い機能は、保険会社によるオペレーティングモデルの見直しと期待される業績の達成を後押しする。現在、アウトソーシング契約の料金を成果に基づいて設定する成果連動型モデルに移行する動きが広がりつつある。契約モデルの選択肢が多様になったことで、保険会社は固有のニーズや目標に応じたアウトソーシング戦略を策定できるようになっている。
アウトソーシングは保険会社に拡張性と柔軟性といった強みをもたらし、常に変化するビジネス要件への迅速な適応を可能にする。保険各社がコスト削減とアジリティの改善に取り組むなか、保険会社向けBPO市場の拡大も続いている。これまでBPOは主にバックオフィス業務の強化目的で活用されていたが、いまや重要な非中核業務のデジタル化を可能にする方法としての注目度が高くなっている。
本レポートに加え、ここで取り上げた各ベンダーやその他のベンダーについてより詳しく知りたい向きには、VendorMatchにアクセスすることをお勧めしたい。それらの内容は本レポート発行後にVendorMatchに掲載される予定である。