バイサイドオペレーションのアルファ創出:「アウトソーシング・エコシステム」を活用するための戦略的手段
本レポートでは、必要なオペレーションの構成要素と、今後の変化の仕組みを方向づける上で適切な変革のイネーブラーを提供する。
Abstract
持続可能なコスト削減と収益性の実現が急務であることから、投資マネジャーは、ポートフォリオ設計、資産運用および資産配分のコアコンピタンス強化に改めて注力している一方で、コア以外の重要な活動については、必要なソフトウェアとサービスを提案してくれるサードパーティプロバイダーに委託している。セレントは、目的に合ったテクノロジー基盤が未来を方向づけ、次世代の機能を提供する鍵になると考えている。
セレントは、投資会社のリーダーが、単にプロセスを再設計するのではなく、レガシーシステムという負債を抱え、それに適応していくよりも、よりデジタルなビジョンをもって資産運用のバリューチェーンを再考することを期待している。また、ソフトウェアとサービスの機能を大規模に融合できる新しいタイプのプロバイダーにとっては、こうした変化を追求する投資会社を支援する重要な機会が生じると予想している。
多くの場合、変化を推進するのは容易ではない。本レポートでは、投資会社がテクノロジーとオペレーションによる成果 (すなわち「オペレーショナルアルファ」) を最大化するために、重要な変革レバーの追求を支援する戦術的な知識を提供する。当社が言う「オペレーショナルアルファ」の達成に必要なのは、単に「単一の統合されたフロント・ツー・バック・オフィスのソリューション」を調達したり、汎用的なアプローチを構築することではない。必要なのは、規模と効率性を必要とする活動において、パッケージ化による標準化と業界における相互運用性の最適なバランスを実現すると同時に、独自のデータセットを柔軟に組み合わせ、目的に合った戦略を迅速にカスタマイズする能力を維持し、ポートフォリオの決定において情報優位性を高めることである。
システムやオペレーションの合理化、自動化、およびアウトソーシングにエコシステムアプローチを採用している企業は、次世代のデジタル機能、自動化機能、高度なデータ/アナリティクス機能に支えられたフロントオフィスとミドルオフィスの活動全体において、今後3~5年で平均30%のコスト削減を実現できると当社は予測している。通常、企業はコストベースの10~20%をデータ管理とオペレーションに費やしているため、自動化とデータおよびアナリティクスの有効活用がコストを削減する最大のレバーとなる。
今後、投資業界における競争優位性は、顧客/ 投資家フランチャイズを所有し、有能な投資マネジャーを引き付け、独自データを活用するといったことだけでなく、中核的な投資機能とオペレーションにおいて、データ駆動型のアナリティクスと、一次的および二次的な公開データソースの洞察に富んだ分析にダイナミックにアクセスできることを保証することによってももたらされるだろう。これらのリソースを活用することで、ポートフォリオマネジャーは効率的に協力して有意な投資判断を行うことが可能になる。
本レポートでは、必要なオペレーションの構成要素と、投資セクターにおける今後の変化の仕組みを方向づける上で適切な変革のイネーブラーを提供する。
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