あるシナリオ:交通事故が(ほぼ)なくなったら自動車保険は?【全訳版】
What Happens When There Are (Almost) No Accidents
Abstract
(このレポートは2012年5月8日に"A Scenario: The End of Auto Insurance:What Happens When There Are (Almost) No Accidents"というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2012年9月7日に発行しました。)
自動車の安全運転に関する最新テクノロジーが広く普及すれば、自動車保険ビジネスが急減する事になるでしょうか。考えられるシナリオを紹介しています。
セレントの最新レポート「あるシナリオ:交通事故が(ほぼ)なくなったら自動車保険は?」は、米連邦政府および地方政府が3つの既存テクノロジー(テレマティックス、衝突防止、交通違反自動取締)と1つの最先端テクノロジー(ロボットカー)の普及を促進するという挑発的ながらも現実味のあるシナリオを想定しています。このシナリオが現実のものとなれば、交通事故は大幅に減少し、自動車保険の損害補償額も低下するでしょう。損害保険会社にとっては、自動車保険収入の大幅減につながる可能性があります。
「自動車保険会社は遠くない将来に、次の3つの問いについて自問することになるでしょう。①テクノロジーの普及による、シナリオの進捗状況をどのようにモニタリングしていくか?②これらのテクノロジーによって新たな種類のデータ、また査定・引受けの分析手法が開発され、それによってどのような変化がもたらされるか?③今年、そして来年、どのような変化が予想されるか?」と、セレント保険グループのシニアアナリストでレポートを執筆したドナルド・ライトは述べています。
「長期的にみると、自動車保険業務の比重が高い保険会社は、極めて難しい戦略的課題に全社規模で取り組まざるを得なくなるでしょう」とライトは付け加えています。