Micro Gold: 分散型帳簿テクノロジー(DLT)と金現物のユースケース
2016/08/31
Abstract
本レポートでは、金の現物とDLTを組み合わせた場合の影響について考察しています。これにより、決済やウェルスマネジメントを含む幅広い金融サービスを提供できる新たなプラットフォームの構築が可能になると考えられます。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | Micro Goldとは何か? |
2 |
このテクノロジーの普及率は? |
3 | Micro Goldと他の分散型帳簿テクノロジーのユースケースの違いは? |
先月のレポート「資本市場とコーポレートバンキングにおける分散型帳簿のユースケース:ブームの先を探る」では、銀行業界およびキャピタルマーケットで実践されている分散型帳簿テクノロジー(DLT)の多様なユースケースの統合について取り上げましたが、今回は、金の現物とDLTを組み合わせた場合のユースケースを取り上げます。
Micro Goldが個人、商業者、金融機関にもたらす主なメリットとして、取引の即時決済、マイクロペイメント(少額決済)、クロスボーダー送金、為替変動リスクの回避などが挙げられます。重要なのは、このユースケースで実績を上げている有力プレーヤーがまだいない一方で、グローバルに適用可能である点、普及率が上昇している点です。
「Micro Goldはレガシーシステム、コンプライアンス、シームレスな顧客経験、ディベロッパーAPIプラットフォームを結び付けるもので、他のユースケースに見られるような既存金融機関による硬直が生じることはありません。また普及しつつあることから、DLTの有力なユースケースの1つといえるでしょう」と証券プラクティスのシニアアナリストのジョン・ドゥワイヤーは述べています。