FX取引 2.0: 流動性プールの統合
2015/11/23
The Pools Merge
Abstract
本レポートはFX市場に焦点を当て、スポット取引市場の今後の展望を示します。現在のFX市場のトレンド、市場構造、テクノロジー(アグリゲーション、アルゴリズム、電子取引)を、規制、統合される流動性、変化する競争環境などに照らして分析しています。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | FX取引のエコシステムを構成するものは何か? |
2 |
FX市場における電子プラットフォームの位置付けは? |
3 | FX取引の将来を方向付ける要因は何か? |
外国為替取引の変化のサイクルは既にかなり速くなってきていましたが、2015年にはさらに加速しました。FXのエコシステムには幅広い多様なベンダー、具体的には、データ、分析、TCA(電気通信事業)、ツール(接続性、アグリゲーション)などのプロバイダーのほか、銀行以外の流動性提供者、FXの電子取引所、処理業者などが組み込まれています。
ここ数年の不祥事に加え、FX取引価格が大きく混乱したことを受け、ホールセールの分野も変化を迫られています。こうした動きの背景には、FXスポット取引をめぐる規制強化と売買量の減少傾向があります。
「FXのエコシステムは複雑化しており、ベンダーはディーラー、非伝統的なディーラー、流動性ソースのプラットフォームへのアクセスを通じたFX取引機会を評価するためのより有効な方法を見出そうとしています。現在、FX市場へのアクセスを可能にするソリューションの多くは単一ベンダーが提供しており、これらがグローバル規模の新たなメガプラットフォームとなりつつあります。同時に、フィンテックによるディスラプションやブロックチェーンがFX取引の分野に進出し始めています」とセレント証券プラクティスのリサーチディレクターであるブラッド・ベイリー は述べています。