セレントの概算では、北米の金融機関によるAML/ KYCコンプライアンス関連テクノロジー/ 業務の支出額は2019年133億ドルに達した。
Key research questions
- 北米における金融機関のAML/ KYC関連のテクノロジー支出額は?
- 北米における金融機関のAML/ KYC関連の業務支出額は?
- 北米における金融機関のAML/ KYC関連のテクノロジー/ 業務支出額は今後どのように変化するか?
Abstract
米国経済の中心的役割を果たす米ドル通貨および米国の金融機関は、世界中で通商と決済を円滑に進める中心的役割を果たしてきた。近年、テクノロジーの進化により、クロス・ボーダー資金の流れを含む決済は益々フリクションレスになり、米国はマネーロンダリングの主要ターゲットとなっている。カナダもマネーロンダリングとの闘いにおいて独自の問題を抱えているが、その原因はマネーロンダリング体制の未整備と、世界中、特に中国からの不正資金の流入である。
北米の規制当局および政府機関がAML体制を強化しようとする中、金融機関は新たなコンプライアンス要件に直面しており、それらの要件がAML/ KYC関連のテクノロジー/ 業務支出を増やしている。セレントの概算では、2019年北米の金融機関によるAML/ KYCコンプライアンス関連のテクノロジー支出額は34億ドルに、業務支出額は98億ドルに達した。
北米のAML業務の未来は、米国およびカナダにおけるAML体制の現代化という法規制上の課題が原動力となるだろう。一方、新しいテクノロジーが大手銀行のAMLシステム/ プロセスの現代化において極めて重要な役割を果たすだろう。中小の銀行・ノンバンクも、それらのセグメントの規制当局による監視が強化されるにつれ、AML関連の業務支出が増えるだろう。
テクノロジー支出の最大のドライバーはKYC-CDD
資料: セレント(単位:10億ドル)
本レポートでは、北米の金融機関 (銀行、保険会社、ブローカーディーラー、ウェルス/アセット・マネジメント会社を含む) によるAML/ KYC関連のテクノロジー/ 業務の概算支出額と、以下の詳細な内訳を提供している。
- グローバル地域毎の支出額:北米、欧州、アジア、その他の地域
- 北米における3つのAML/ KYC主要要素に焦点を当てた機能別支出額:KYC/ CDD、制裁措置スクリーニング、トランザクション・モニタリング
- 北米におけるテクノロジー支出額の内訳:社内支出、ハードウェア、外部ソフトウェア/ サービス
- 北米における業務支出額のトレンド (テクノロジー支出額に加えて)
- 北米における金融機関のタイプ/ サイズ別支出額
- 北米における新規プロジェクトの支出額vs. 銀行を運営するためのメンテナンス業務の支出額
- 北米における過去の支出増加傾向および将来の増加額概算
本レポートは、AML/ KYC支出のトレンドを分析する一連のセレント・レポートの第四弾である。
- 2019年9月発表の第一弾:「マネーロンダリング防止(AML)および顧客身元確認(KYC)関連のIT/業務支出: グローバル編」
- 2019年11月発表の第二弾:「マネーロンダリング防止(AML)および顧客身元確認(KYC)関連のIT/業務支出: 欧州編」
- 2019年11月発表の第三弾:「マネーロンダリング防止(AML)および顧客身元確認(KYC)関連のIT/業務支出: アジア編」
(詳しい情報は、セレント北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください)