成長する自立志向型アクティブ投資家市場
Abstract
アクティブ投資家(従来の長期保有を主とした投資スタイルでなく、アクティブに取引する投資家)は多大な成長機会をもたらす存在となっています。2012年には、これらの投資主体による取引が米投資市場の40%以上を占めるとみられます。
セレントの最新レポート「成長する自立志向型アクティブ投資家市場」はオンライン証券によるシステム開発状況と個人投資家の選好度を分析し、投資家の顧客層を投資目的と取引戦略に基づいて分類しています。また、取引システムの開発とアクティブ投資家を取り込むための最新システム機能の強化について各社の状況を比較しています。
このレポートは、米オンライン証券会社を対象に2ヵ月間にわたって行った調査の結果をまとめたものです。レポートではオンライン証券会社がどの顧客セグメントにターゲットを絞り、商品の差別化を図っているかを明らかにしています。中でも、月に3-10回取引する投資家層に対する各社の戦略に焦点を当てています。
今回の調査では、主に以下の点が明らかになりました。
- 自立志向型モデル(自律的スタンスで投資する)に移行する投資家が増えている。
- テクノロジーの進化がアクティブ投資家向け市場の拡大を牽引している。アクティブ投資家を取り込むには、オンライン取引プラットフォームとその関連ツールの開発がカギとなる。
- オンライン証券は、差別化を図って多くの投資家を囲い込むため、取引システムの機能、有用性、分析ツールを大幅に強化している。バンキングや投資ソリューションを提供しているところもある。
- 証券会社はソーシャル・ネットワーキングや教育ツールなどに目を向けている。また、多くの証券会社がモバイル取引用アプリケーションの開発も進めている。
- 市場のボラティリティが向上したことで、より多様な商品へのニーズが拡大している。オプション、先物、外国為替取引への個人投資家の関心は引き続き高まっている。
出典:セレント
「厳しい市場環境にもかかわらず、アクティブ投資家市場はここ1年に3%と小幅ながら拡大しています。アクティブ投資家は、注文執行のスピードや取引コストよりも、サービスの質、強力な機能へのアクセス、投資ポートフォリオをいつでもどこからでも積極的に管理できる利便性に注目するようになっています」とセレントリサーチディレクターでレポートの共同執筆者であるイザベラ・フォンセカは述べています。
「ここ1年で、証券会社はオンライン証券としてのプレゼンスを高めるため、様々なシステム強化を図ってきました。今後この分野の勝ち組となるのは、投資と顧客ニーズへの対応に意欲的な証券会社でしょう」とアナリストでレポートの共同執筆者のアレキサンダー・カマルゴは述べています。
このレポートは13図と21表を含む66ページで構成されています。